マチネの終わりに [Kindle]

著者 :
  • コルク
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感想 : 51
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感想・レビュー・書評

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  • インスタで見て読みたくなった。
    運命の人なら、かたい絆で結ばれているはずと信じたい私にとっては、すごく複雑な気持ちになる物語だった。
    あんなにお互いを求めているのに、たった一通のメールで簡単に壊れてしまうものなのか。
    そして、ふたりの再会で物語は終わるけど、その後はどうするの?最初と同じようにそれまで築いたものを捨てるの?
    「大人の純愛」として、素直に楽しめませんでした。うーん。

    内容はしっくりこなかったけど、登場人物の言葉から連想される静かな情景は読むだけでも心地良かった。

  • 読了。恋愛小説なのだけど、よくある恋愛小説とは少し異なる。
    キーは「過去と未来」時間軸。本の中で蒔野が言う「人は変えられるのは未来だけだと思い込んでる。未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいもの」この言葉は本文の中で、何度も繰り返される2人のすれ違いや心の動きに大きく関わってくる。
    そしてもう1つのキーとなるルカによる福音書10章38-42節の マルタとマリアの家のキリストのくだり。このシーンはフェルメールも描いておりとても有名な一節。「良い方を選ぶ」とは? マルタの訴えは何であったか?イエスは決してマルタを諌めた訳ではないのだが、蒔野の妻となった早苗もまた、自分の犯した罪に苦しむ。罪を告白すると言うのは、聞いた人に罪を分けあたえると言う意味もあるのかもしれない。懺悔と神にも罪を引き受けてもらうということなのだ。告白された方も、また変えられない過去に悩み、変わるかもしれない過去を悩む。
    2人の続きが気になりながら話は幕を閉じる。

  • 途中でやめた。何故か 合わない。

  • 大人の恋愛小説と聞いて興味は湧かなかったが、悩みごとの答えが見つかるかと読み始めた。
    答えは見つからなかったが、悩みを抱えながらも生きようと思えた。

  • とにかく文章が美しかった。物語のあらすじ自体はある意味普遍的な感じのすれ違い恋愛小説。感情移入しにくいのはあるかもしれない。

  • ギタリスト、という職業からもうすでに非日常に連れて行ってくれる感じがあるが、主人公がほぼ同世代、さらに久々に恋愛小説をじっくりしっとり読めて幸せな気分である。

  • 同年代だから、わかる部分がたくさんある。
    直感的に惹かれ合うのに、そこに理由やロジックを求める私たち。さらに、第三者との関係性もあって、余計に複雑になっていく。あらためて、恋も仕事もタイミングと決断が大事なのよね、と思うのです。
    聡史と洋子は、この後どうしたのかなあ。同じようなことを繰り返して、決断し、一緒になるのかな。それとも。

  • 文体の美しさと余韻、文化と世界情勢、読み応えすごい。

  • 久しぶりのラブストーリー。 ひとつの誤解から生まれるすれ違い。不安だからこそ、誤解はむしろよりネガティヴな方向で受け取られてゆく。。 この気持ちの起伏に懐かしさも感じつつ。 諦観の中にも、燃え上がる感情もある事を気付かされる。 そして“未来は常に過去を変えている。それくらい繊細で感じやすいもの” これには唸った。 読後は今ひとつだったと思いつつ、なんだかんだで平野の先生に感情を擽られたのは否めない。

  • 再読です。
    先日平野さんのトークショー&サイン会に行ってきました!

    サインをもらう一瞬の間のひとこと、なんて言おう・・・と考えながらの再読です(笑)結局、
    ・過去は変えられるという概念が新鮮で、また一つ重要なことを教えてもらった気持ち。
    ・先が気になって急いで読みたくなる小説はあるけれど、読み終えるのがもったいないとゆっくり読みたくなる小説ははじめて。
    ということを、話せそうな秒数に応じて言おうと決めました。

    が、トークショー前に配られたチラシに
    「ページをめくりたいけどめくりたくない、ずっとその世界に浸りきっていたい小説を考えてきた」とか
    「現在と過去と未来について考える。付随する出来事によって、それぞれのエピソードの意味が変わるなんて、これまで考えたことなかった。なんだかすごいものを読んでしまった」とか書いてあり・・・
    私の感じたことって、著者の狙い通りのことを素直に受け取った結果の想定通りの感想だったんだーと、よくわからないけどガッカリ。。
    そんなオーソドックスな感想を言っても仕方ないかと思いつつ、それしか考えてないし、っていうか実際には緊張しちゃってシドロモドロでした(涙)

    まあでも、やはり再読でも胸が熱くなりました。
    彼らはこのまま、過去の意味を変えながらお互いの人間性をより尊敬し合い、プラトニックで幸せな関係を築いていくのでしょうかね。
    三谷ジャマ。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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