地下室の手記(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 『カラマーゾフの兄弟』や『罪と罰』などの重厚な作品の解説的作品とはジッドさまがおっしゃったそう
    なるほど なるほど 短い作品だけど全編が饒舌で 「カラマーゾフ」や「罪と罰」の登場人物たちの長い長い会話に悩まされたことをいやでも思い出す
    ボタン雪のびしょびしょと降る窓辺で 人間はどうしょうもない者であるよと 暗くて哀しくてさびしい独白を延延と、、、楽しくはないが

  • 前半は興味深い知見や思想ばかりでどこもかしこも書き覚えていたいとラインを引きまくり行っては戻りと何度も読み返しつつ、余りに人間の深淵な自意識を赤裸々に暴き出している毒気にやられてなかなか先へ進みづらかったが後半は一気に読んだ。
    こじらせっぷりに共感して痛さを覚え、度を過ぎた成れの果てに苦笑し、リーザとの出会いと再会のあの一連の流れにやられた。ドストエフスキーの真骨頂とも言える白熱した心理描写と長広舌に圧倒され感極まるほど熱くなった。素晴らしい。面白かった。

  • 3.3

  • 私は胃が痛くなる程この本が好きで、実際の本棚に置いていたけれど、人に勧めたくはないし人に聞かれても曖昧に返事を濁す。人によってはただの傲慢自己愛の話だと切り捨てられるだろうが、人によってはこの本が生涯頭の片隅に存在するような猛毒の本。自分自身が自己愛の塊の場合と、自己愛の隣人に苦しんだ経験のある人には刺さるでしょう。

  • 自意識過剰で価値観を押し付けまくる主人公の傲慢、、横暴ぶりがとにかく激しかった。

    P46「人間とは、二本足の恩知らずな動物」
    人間とは、と言っているがきっと自分以外のすべてを指し、見下しているのが明らかである。

    P143「愛情があれば、幸福なしでも生きていける。たとえ不幸だって、人生はいいものさ。」
    主人公が売春宿で働くリーザに言い放った台詞。

    愛情あってこその幸福じゃないの?
    不幸な人生もいいってそれはあなたの意見じゃん、押し付けじゃん!
    突飛さに吹き出してしまった/(-_-)\

    P151「愛は神のみが知る秘密でね、たとえ何が起ころうが、他人の目からは隠しておかなければならないものなんだ」
    結婚もしてないアンタが何語ってんだよ!ってな話。天狗ぶりが甚だしい。

    極めつけの、リーザへの一言。
    P155「そりゃ、この家(売春宿)だって、穢らわしいところには違いないけど、それはもう言わないよ」

    言わないよってもう言ってるじゃねーか!
    しかも穢らわしいとか、自分からそこに来てやることやってんのに何言ってんだか。
    腹立つわ。相手の気持ちも考えてる発言しろっての。



    そんな世間知らず過ぎる主人公がリーザに告白し、逃げられる結末が痛快でスカッとした!
    偉そうなことを言っていたのに、実生活は貧困で荒廃した家に住んでいる主人公が、「嘘の仮面を被る(惨めな生活をしている自分を偽る)ことを卑劣だと自覚している」ことを告白するシーンは、腑に落ちた。救いがあってよかった。


    ドストエフスキーは20代前半のとき、罪と罰が難解すぎて挫折したけど、今回31歳で挑戦して読了できて嬉しかった!
    1度読んでもよく分からず、2度目でやっと内容が頭に入ってきた。やはり何度も読むことはいいことだ!
    読み疲れて疲労困憊・・・。

  • f

  • ひきこもりの描写がリアル

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著者プロフィール

(Fyodor Mikhaylovich Dostoevskiy)1821年モスクワ生まれ。19世紀ロシアを代表する作家。主な長篇に『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『未成年』があり、『白痴』とともに5大小説とされる。ほかに『地下室の手記』『死の家の記録』など。

「2010年 『白痴 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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