後悔病棟 (小学館文庫) [Kindle]

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  • 小学館
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  • Audibleにて再読。
    余命わずかな患者たちの後悔に寄り添う女医・早坂ルミ子の成長が描かれたストーリー。

    ルミ子は不思議な聴診器を手に入れ、患者たちの後悔を聞く能力を得る。
    この力を通じて、彼女自身も成長していく姿が描かれていた。

    この本では、人生の選択と後悔がテーマとなっていて、自身の人生について考えさせられる内容だった。

    ストーリーにはファンタジックな要素がありながらも、後悔や人生の選択といった身近な問題について深く考えさせられた作品。

    ルミ子が患者たちの後悔から新たな気づきを得る過程や、彼らの選択した別の人生の展開が描かれ、引き込まれていった。

    心に響く部分も多く、読んだ後に自分の人生を振り返るきっかけとなるはず。

    選択には必ず良し悪しがあり、後悔することもあることを学ぶことができた。

    終わり方からは続編への期待が感じられた。

    自分の人生について、改めて考える良い機会となる作品。

  • 過去に戻ってやり直したい、時にはそう思うこともあるだろう。
    まして、余命宣告を受けていたら、残された家族を心配したり、かなえられなかった夢を悔んだり、言い残したい事や、
    それはそれは、心の中に深く根付いて悩むことだろう。

    聴診器を通して、過去への扉を開けて別な生き方を覗いてみれば、
    さて、現実と、どちらが幸せだったのか・・・・?

  • 小説ではあるが、他の人の人生の後悔とやり直しを読んで、自分の人生も振り返ることができる本。

  • 2024.03. Audible

    じゅんこさんからの紹介。
    そうね、できれば後悔することなく死んでいきたいよね。

    Amazonの本の紹介
    「過去に戻れる聴診器」を使ってみたら…。

     33歳の医師・早坂ルミ子は末期のがん患者を診ているが、「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られ、悩んでいる。ある日、ルミ子は病院の中庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を胸に当てると、患者の心の“後悔”が聞こえてくるのだ。
    「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」
     聴診器の力を借りて、“もうひとつの人生”の扉を開けた患者たちが見たものは――!?

    ●dream――千木良小都子(33歳)
    母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれなくて…

    ●family――日向慶一(37歳)
    俺はもうすぐ死ぬというのに、なぜ妻は金の話ばかりするのか。

    ●marriage――雪村千登勢(76歳)
    娘の幸せを奪ったのは私だ。結婚に反対したから、46歳の今も独り身で…

    ●friend――八重樫光司(45歳)
    中三の時の、爽子をめぐるあの“事件”。俺が罪をかぶるべきだった。

    この世の中の誰もが、「長生き」することを前提に生きている。
    もしも、この歳で死ぬことを知っていたら…

    家族、結婚、夢、友情。
    女性から圧倒的な支持を受ける著者が描くヒューマン・ドラマ!!

  • あなたの人生に後悔はありますか?人生がこれ以上続かないと分かった途端、1日、1時間が惜しくなる。それに直面する前に、それを意識することができるか。

    もう一度人生があるとしたら、あなたは今の人生を歩みますか。ダルビッシュ選手の二十歳に戻ったらの話を思い出した。

  • 登場人物は過去を後悔して嘆いてばかり。そして夢の中で人生をやり直す。しかし結局今の人生が一番幸せだったと再認識し冥土に旅立つ。
    近未来、テクノロジーが進歩して本当にそんなことができる世の中になるかも。
    垣谷さんの小説はどれも読後感が爽やかで安心して読める

  • ky女医が受診器を患者にあてると

  • 読了。
    「過去に戻ることのできる聴診器」を手に入れた女医と末期癌患者との話。
    死を前に患者達は後悔を口にし、過去へと戻ってやり直す。人は誰しも選ばなかった方の、あったかもしれないもう1つの自分の道に憧れを抱いているのかもしれない。もし、あの時… その繰り返しで生きているのかもしれない。やり直したからといって決して今より幸せとは限らない。患者達は過去の後悔を少しだけ解決して息を引き取る。
    母に反発していた娘、家族との繋がりを失っていた夫、娘をもつ母、友人への後悔を口にする男性。女医と家族。家族、夫婦、友人などがテーマになっておりそれぞれの立場が綴られる。その時知らなかった相手の気持ちを知ることとなり、良くも悪くも気持ちが落ち着くのかもしれない。
    最後の膵臓癌の男性は過去をやり直し、当時の声を聞いた後、元の生活に戻ってその後どうなったのかが少し気になる。

    さて、そのような聴診器があったら自分なら何時に戻りたいだろうか…?

  • 久しぶりに垣谷美雨作品。
    末期癌患者を担当する女医の早坂ルミ子・33歳独身。周囲
    の評判は「患者の気持ちがわからない女医」。空気が読めず、
    さらに言葉の追い込みが足りていないため、まもなく人生を
    終える患者にとんでもない一言を放ってしまう、という致命
    的なクセに悩んでいる。ところがある日、ルミ子は病院の中
    庭で不思議な聴診器を拾う。その聴診器を使うと、何故か患
    者の心の“後悔”が聞こえてきて・・・という内容。

    芸能界デビュー出来なかったことを後悔する大女優の娘や、
    結婚に反対したため行かず後家となった娘を持つ母、中学生
    の頃の罪を友人一人に押しつけてしまった男など、そりゃあ
    人生に「悔い」あるよなぁ、という末期癌患者が多々登場。
    ルミ子の聴診器の機能で人生のやり直しを試みるものの、違
    う道も決して平坦ではない、ということを皆一様に思い知る、
    という、かなり骨太なファンタジー。いやぁ、好きだな、こ
    ういうの。

    物語の特性上、登場人物は次々に死んで行くし、ドロドロな
    人間関係も随所で垣間見える。しかし、読後感は驚くほどさ
    わやかで、「隣の芝生は青い」とか、「後悔先に立たず」な
    どの諺が妙にしっくり来る。垣谷美雨はこれまで何作か読ん
    でいるのだけど、満足度はこれまででいちばん高い。

    全体的な完成度はすばらしく、読み応えは充分なのだけど、
    「もうすぐ死ぬ自分に対して金の話しかしない妻を持つ男」
    のエピソードだけはちょっと心が痛くなった(^^;)。あの状
    況のまま死んだら怨念しか残らねぇな、きっと。

    ということで、この作品だけは、登場人物を自分に置き換え
    るのは止めといた方がいいかも。ストレスで病気になっちゃ
    うかもしれないので。

著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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