地球へ…[カラーイラスト完全版デジタルエディション] 3巻 [Kindle]

著者 :
  • 三栄
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感想・レビュー・書評

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  • SF漫画「地球へ…」の電子書籍版第3巻、完結です。
    新人類ミュウの進撃が始まり、太陽系へと食い込みます。
    キースが昇進しているだけでなく老いていることから、間隙に流れる時間を感じました。
    ジョミーの外見は変わりませんが、地球への熱意は褪せません。
    結末に納得できるかは各々違うでしょうが、象徴としての地球は一貫しています。
    単純なSFではなく、考えさせられる漫画でした。

  • あまりに壮絶なラスト。凄惨極まりない。結局は、なにかに縋らなければ生きていけない。人々がフィシスさんに纏わりつく図なんか、ホラーじみてる。
    勝手に慕われ、勝手に憎まれるトップの苦悩は計り知れない。優しさだけで世は正せない。傲慢じゃないと上は務まらない。あの機械「様」のように。皮肉なもんだ。

    確実に言えるのは、地球はそんなに良いものじゃないってことだけだ。それでも、数えきれないほどの時を超えても、彼らはまだ地球を目指そうとしている。少年と少女は、彼らがのこした最後の希望なんだろうな。多分。きっと。ごめんよく分かってない。

  • 久しぶりに読み返して、とても良かった。生命倫理、世代間倫理といった重要な課題をあつかった作品だと思う。
    細部まで絵が美しく、ずーっと見ていて飽きない。原画展があったらぜひ行きたい!

  • アニメ映画化もされたことのあるSF漫画の古典的傑作と名高い本作。廉価で配布されていたので、Kindle版を購入。「超能力使ってなんでもアリ」とも取れる突飛な設定への違和感は、最後まで拭えなかった。そして終盤の展開に強引さを感じた。ファンが多い理由はなんとなく掴めたが、個人的にはあまり読み返すことは無いだろうと思う。

  • 久しぶりに読んだ。
    やっぱり好き。
    昔読んだとき、「どうして最後にトォニィがいないんだろう、彼らはどこに行ったんだろう」と思っていたんですが、これ、おそらく、彼ら主観の記憶をラストで持った子供たちが帰ってきたからなのか、と納得した。

  • 4.1◼︎〈人間〉の挫折と〈システム〉への対峙。システムの暴力をわかりやすく問うてる点で時代性を感じる。70年代の呼吸は壮大な歴史の転換点でもあった。

  • すごい。黒ベタの漆黒の宇宙。戦艦の描写も松本零二との同時代性を感じるし。人口知能に仕事が取られるみたいな段階の次しか描写してない。

  • 衰えゆく地球を守り地球で生きていくために、コンピュータに社会と世界を制御させた未来。
    管理された人間と管理から外れた能力を持つミュウと呼ばれる異端の存在の戦いを通じ、最後は社会をコントロールするコンピュータとの戦いへ向かう。
    この構図のディストピアストーリーは沢山あるが、それらのハシリであり、更には最高傑作のひとつだと思う。
    感情描写や行動描写だけではなく、それらを哲学的な言葉、詩的なビジュアルで読む者の心に何かを訴えてくる。これはそこらの小説漫画映画ではなかなか見られない。

    実際に物語を動かしたのはジョミー、キースのミュウと人間のリーダーだが、歴史を動かす物語の根底にあるのは、ソルジャー・ブルーの強い地球への思慕とフィシスという女性への果てしなく優しい愛にも似た想いだったのだと、読み終わった後にそう感じる。

  • アタラクシアからカタストロフへ、壮絶なラストの展開はまさに物語の終点であり、エピローグはそれからへとつながる希望の断片でありました。まごうことなき傑作SF漫画。

  • 40年も前の作品とは思えない。

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著者プロフィール

1950年、徳島市に生まれる。徳島大学教育学部中退。68年『リンゴの罪』でデビュー。70年、雑誌連載をきっかけに上京。以後、SF、同性愛、音楽、歴史などを題材に多彩な執筆活動を展開。80年、『風と木の詩(うた)』『地球(テラ)へ…』により第25回小学館漫画賞を受賞。主な作品に『ファラオの墓』『イズァローン伝説』『私を月まで連れてって!』『紅にほふ』『天馬の血族』『マンガ日本の古典 吾妻鏡』などがある。京都精華大学にて2000年~教授就任。14年~18年学長。2014年紫綬褒章受章。

「2021年 『扉はひらく いくたびも 時代の証言者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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