アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?~心をつかむニューロマーケティング~ (光文社新書) [Kindle]
- 光文社 (2018年8月30日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (231ページ)
感想・レビュー・書評
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なぜアップルのイメージがあそこまで良くなったのか、知りたいと思って読みました。
青く光るロゴ入り名刺をいただいたときは、人に見せびらかしたものです。いろんな色の、あるんですよー。
本書はアップルについてメインに書かれてはいません。
脳科学研究を、一般大衆向けのマーケティングにどのように活かしていくか、そんな大きなお金を動かすような人向け、です。
確かにいいものを作るだけでは売れないので、売るためにどうすべきか、は大事なのですが、脳を騙して(喜ばせて=脳科学では報酬、という)売り上げる、というのは、うーん…仕方ないのかな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脳科学とマーケティングを組み合わせた、「ニューロマーケティング」という手法についての本。
基本的に、深層心理をもとにした、実例について解説した本のように思った。
「あらゆるものが嗜好品化してきた」という考え方はなるほどなぁと思った。家電でも日用品でも、最低限の機能的価値はどれも満たしているということなんだろうと思う。
ペプシコーラとコカ・コーラのコーラを、メーカーをいわずに飲み比べてどちらが美味しかったか聞くとペプシコーラのほうを答え、メーカーを伝えてから飲み比べてもらうとコカ・コーラのほうがおいしいと答えるという話が面白かった。ブランド力って、そういう認知も変えてしまうものなんだろうな。
脳科学の視点で、どういうふうにマーケティングを行っていけばいいかということについては、7つの法則で書かれており、それぞれテレビ局と玩具メーカー(人形を作ってる会社)の話も交えながら書かれてあって分かりやすかった。
人は「新しいものが好き」という心理と、「慣れ親しんだものが好き」という相反した心理があるとのこと、そのバランスが大事とのこと。このへんは難しいだろうなと思う。
後は、サプライズが大事だとか。子どもに絵を描くのを手伝ってもらって、手伝ってくれたらメダルをあげるというグループと、何も言わないけどメダルをあげるグループと、何も言わないしメダルもあげないグループだと、数週間後に一番熱心に絵を描いたのはメダルをあげると伝えられずにメダルをもらった子たちで、一番熱心でなかったのが最初にメダルをあげると伝えておいた子たちなのだとか。ものでつるというのは、時に逆効果ということなのかもしれないなぁ。
認知的不協和の話は、昔からよく聞くけど、いまいち実感と異なるので覚えられない。無意識でそうなってるからそりゃそうなのだけど、何でこんな人間の脳は、ややこしいことになってるんだと思う。
ちなみに、なぜアップルのリンゴがかじりかけなのかというのは、他の丸い果物と間違えられないようにするためだったそう。その後に実はあのロゴは、潜在的に好感が誘発されるのではないかと考えているというのだけど、いまいち説得力が弱い気はした。