暗幕のゲルニカ(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 前回に読んだ「楽園のカンヴァス」はアンリ ルソーにまつわる話。
    今回のこの「暗幕のゲルニカ」はパブロ ピカソにまつわる話。

    全然違う生き方。
    ピカソの芸術に対する情熱。
    でも奥さん、子供もいる愛人、そして芸術家でもある愛人ドラ。
    ふーむ、そういう時代だからよいのか??

    ドラの目線で語られる思いが辛い。

    そしてキーパーソン バルドが素敵すぎる。

    「鳩」も大切なキーワード。

    最後の最後までドキドキしながら読みました。

    もっと早くに原田マハさんの本に出会っていれば、もっと芸術に対しての考えが違っていたのに。
    今からでも芸術に対して、勉強していきたいと思いました。

    • いるかさん
      yuka♡さん

      はじめまして。。
      そしてコメントありがとうございます。
      マハさんの本を読んで絵画に初めて興味を持ちました。
      とて...
      yuka♡さん

      はじめまして。。
      そしてコメントありがとうございます。
      マハさんの本を読んで絵画に初めて興味を持ちました。
      とても面白く、これからも読んでいきたいと思っています。
      マハさんの本、あと3冊ほど待機しています。
      これからもよろしくお願いいたします。。
      2020/07/12
    • yuka♡さん
      私は、元々芸術鑑賞が好きでした♡
      キュレーターでもあり、こういうアート小説を書く方がいることを知りマハさんの小説に興味を持ちました。いろいろ...
      私は、元々芸術鑑賞が好きでした♡
      キュレーターでもあり、こういうアート小説を書く方がいることを知りマハさんの小説に興味を持ちました。いろいろな芸術家や作品名も出てきてググりながら読んでいるためなかなか読み終わりませーん。
      また、オススメ教えてくださいね!
      こちらこそ、よろしくお願いします。
      2020/07/12
    • いるかさん
      yuka♡さん
      そうなんですね。
      作者の背景をしることで、作品の見方が全然変わってきますね。
      マハさんの小説を早くに読んでいれば、芸...
      yuka♡さん
      そうなんですね。
      作者の背景をしることで、作品の見方が全然変わってきますね。
      マハさんの小説を早くに読んでいれば、芸術に対する接し方が全然違ったかもしれません。
      今からでも、そういう目でひとつひとつの作品を見ていければと思っています。
      こちらこそいろいろ教えていただきたいです。
      これからもよろしくお願いいたします。
      2020/07/12
  • 同時多発テロから2年後の2003年2月5日、アメリカは、大量破壊兵器破棄の拒否を理由にイラクへの武力行使を発表した。しかし、発表の場となった国連安保理会議場ロビーにあるはずの「ゲルニカ」のタペストリーには暗幕が架けられていた。

    同時多発テロで最愛の夫を失ったピカソ研究の第一人者、MoMA学芸員の瑤子は、「ゲルニカ」の持つ反戦メッセージを今こそアメリカに伝える必要がある、と「ゲルニカ」を中心としたピカソの展覧会を企画する。
    物語は、政治的な陰謀に巻き込まれながらも「ゲルニカ」の展示に奔走する瑤子と、同時多発テロの60年前、「ゲルニカ」を描くピカソのそばで制作風景を写真に記録し続けた愛人ドラの視点で交互に語られていく。現代のアメリカと戦時中のパリ、時代も場所も登場人物も異なる二つのストーリーが少しずつ重なり合い、強いメッセージを持って一つに結びつくラストは感動的で、胸がつまった。

    サスペンスとして大変面白いし、時代に翻弄されながらも凛とした強さを持って生きる瑤子とドラ、二人の人生の物語としても読みごたえがある。何よりも、芸術はこんなにも人を動かす力になるのだ、という作者の強い思いが、芸術に疎い私の心にも響いた。

    今すぐ美術館に行って芸術家の作品に触れ、わからないなりにメッセージを感じてみたい、という欲求に駆られる一冊である。

  • 20年以上前(ネットで調べたら30年近く前でしたが…)に、京都国立近代美術館でゲルニカを見たのを思い出した。「剣より強い絵筆の力」とあったが、ウクライナで紛争が行われている今、本書は、原田マハさんの平和への祈りように感じた。

  • いやー長かった。というより、寝落ちすることが何度もあってやっと読めた。

    過去のピカソの話の展開が、ちょっと繰り返しのように感じたかな....(いや、毎日寝落ちしてるからそう思えたのかもしれないけど)。
    一方、現在に当たる瑤子の後半の話の展開には、ちょっとビックリさせられた。

    ピカソの『ゲルニカ』といえば....ぼんやり....とした認識しかなかったけれど、こういう背景があったということを知ると、鑑賞するときにこれまでと違った視点が持てるし、さらに自分の中にも新しい世界が開けてきそう。

    某作品のティム・ブラウンもさらっと登場していて、MoMaですもんね〜とクスッと笑えました。

  • やっぱり原田マハさんは面白い。ピカソのゲルニカ繋ぐ二つの時代。ピカソが込めた思い、思いを伝えることに全力を尽くした人々の熱い気持ち、今読むべき一冊!

  • ゲルニカ、みたくなりました。
    筆は戦争より強し。

  • 「過去パート」1937年のパリ、ピカソがゲルニカを描く頃と「現代パート」911発生時の2001年と2年後のニューヨークと2パートが交互に出てきます。
    ゲルニカは1937年にパリで開催されましたパリ万博のパビリオンに出品されました。
    スペインは、その後、フランコの軍事独裁政権を樹立したことから、ピカソ本人との「自分の母国であるスペインに真の民主主義が戻ってくるその日まで、この『ゲルニカ』をMoMAから絶対出さないでください」と約束のもと、いわば亡命していたそうです。
    当時、MoMAの理事長はロックフェラーで、いつか『ゲルニカ』が帰っていく日が寂しいので、「その日」のために、ピカソ公認でタペストリーを作り、その後国連に寄贈され、国連の安保理議場前に飾られました。
    タイトル「暗黙のゲルニカ」は、2003年2月5日に実際にあったイラク攻撃を宣言するパウエル務長官の背後のゲルニカのタペストリーが暗幕に隠されていた出来事に由来しています。
    歴史の事実と、小説ならではの人物の心情の描写が混ざり、余韻が残る小説でした。

  • 楽園のカンヴァスが面白かったので、マハさんの作品としては2作目に選んだお話。
    楽園のカンヴァスほどではなくても、十分に楽しめて、わくわくした。
    特にピカソがゲルニカを描いたその時を連れ添った愛人の美人写真家ドラ・マールの心理描写が個人的にとても好きだった。
    手に入れたいと思うと離れて言ってしまう、気分屋で感情的であるのにも関わらず、魅力的で手放したくなくなる存在としてドラの視点を通して見るピカソは、私でもあら素敵と思ってしまうところもあった。
    強かに見えるドラが、ピカソに「泣く女」として描かれることで、ピカソがいかに本質を見て描く画家なのかが垣間見える。
    ニューヨークとパリ、時代を超えて生きた女性の繊細な気持ち。強さ。賢さ。この本を読んで、私も現代に生きる女性として、強く生きたいと思えた。
    原田マハさんの本はとにかく美術の魅力を伝えてくれる。

  • アートキュレーターの世界、展覧会の責任者の世界を覗き見、ピカソの人物像が立体的に、そして有名な作品であるゲルニカの作られた背景をしっかりと知ることができてよかった。「楽園のキャンバス」も楽しく拝読したが、アート作品にはそれぞれ時代の、作家の人生の、ストーリーがしっかり織り込まれているのだな。

  • 戦争は悲劇しか生まないということを痛感させられる本。
    ゲルニカ見たことないけど、こういった背景があると知った上でいつか見ることができたらいいなと思う。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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