ジョーカー ブルーレイ&DVDセット (初回仕様/2枚組/ポストカード付) [Blu-ray]

監督 : トッド・フィリップス 
出演 : ホアキン・フェニックス  ロバート・デ・ニーロ  ザジー・ビーツ  フランセス・コンロイ 
  • ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
3.84
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感想 : 131
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4548967436204

感想・レビュー・書評

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  • 主役のジョーカー役 ホアキン.フェニックス 巧すぎて…怖かったくらい。役柄の為に 体も痩せて とても絞ってましたね 演技 一つ一つの表情がすごい。
    バットマンのダークナイト(この作品も とても好きだった)バットマンの敵の悪役として(ヒース.レジャー扮するジョーカー)を想像していたが、全く違った視点から とられていたので 内容を知らずに観て 結構 衝撃的だった。
    誰が狂ってるのか?自分か?世間か?
    ピエロって とても面白くて楽しいものを提供しながら…
    とても怖い存在として よく映画に登場するけど
    ほんとに 不思議な不気味さと寂しさも混在して まるで
    人の二面性を上手く表していると思う
    狂気は潜在的なものか?環境によって出てくるのか?
    何だか 怖いけど 不思議な味わいと音楽も良かったと思う
    勿論、ホアキンの演技力も圧巻!ただ 大物の好きな俳優のデニーロが あんな場面に遭遇するとは ちょっと驚きだったが…。
    ラストの真っ白な廊下をヒタヒタと踊りながら 赤い血の足跡をつけてゆく 映像 素晴らしいと思った。

    「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を、ホアキン・フェニックス主演&トッド・フィリップス監督で映画化。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのか。原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描く。第79回ベネチア国際映画祭で、DCコミックスの映画作品としては史上初めて最高賞の金獅子賞を受賞して大きな注目を集め、第92回アカデミー賞でも作品賞ほか11部門でノミネートされ、主演男優賞と作曲賞を受賞した。「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。これまでジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレット・レトが演じてきたジョーカーを、「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスが新たに演じ、名優ロバート・デ・ニーロが共演。
    「ハングオーバー!」シリーズなどコメディ作品で手腕を発揮してきたトッド・フィリップスがメガホンをとった。

    • みどりのハイソックスさん
      夜分に失礼します。
      失礼かも知れませんが
      あの、私、すっかりhiromida2さんのファンです…
      作品の最高のところを書いてくれてありがとう...
      夜分に失礼します。
      失礼かも知れませんが
      あの、私、すっかりhiromida2さんのファンです…
      作品の最高のところを書いてくれてありがとうございます。

      狂っているのは世間ではないでしょうか…?⊂((・x・))⊃
      ジョーカーも大好きなんです
      2022/08/29
  • 絶え間なく燻り続ける、爆発の予感と緊張。彼をやるせなく、哀れに思う感情がある一方で、昏い興奮と、深淵をのぞき込んだような気分に襲われる。

    映画館で観たときは、何か触れてはいけないものに触れたような感情になった映画ですが、今回改めて鑑賞して、その感情を言葉に表すと、こうなる気がします。

    バットマンに登場する悪のカリスマ“ジョーカー”。しかし、元の彼は母と二人暮らし、コメディアンを夢見る男、アーサーだった。恵まれてはいないが、母と二人、慎ましく暮らしていたアーサー。しかし周りの環境は、徐々に彼を追い込んでいき……

    いわゆる転落物語。ところ構わず、急に笑ってしまう発作を持ち、仕事も上手くいかないアーサー。仕事中に不良たちにひどい目にあわされ、護身用にと同僚から渡された銃を仕事場に持ち込んでしまい、首を言い渡され、笑いの発作が止められず、柄の悪い若者たちに絡まれて……

    終わりない閉塞的な状況が続き、徐々にアーサーの中で高まっていく暗い感情。それがいつ爆発するのか。アーサー演じる、ホアキン・フェニックスの演技やBGM、演出、カメラワークが、緊張を高めていき、アーサーはついに銃を撃ち放つ。

    それでもまだ、爆発の予感は消えない。アーサーが銃を放っても、それは小噴火、大地震の前の余震にしかすぎなくて、また閉塞的な状況も緊張感も続いていく。アーサーの行動や態度は徐々に理解しがたかったり、凶暴なものになっていきます。

    一方で倒れた愛する母、父親への想い、憧れを抱いた女性、夢に見たテレビの舞台、そうしたアーサーを社会につなぎ止めていたものが、一つ一つ遠くへ消え失せていき、また高まっていく緊張感。そして、張り詰めた糸が切れたときアーサーが取った行動は……。

    見方によっては目も当てられない悲惨な話なのに、それでも物語から目を離せないのは、この緊張感のたまものだと思います。彼はどこまで堕ちていくのか。どこまで失うのか。そしていつ爆発するのか。この緊張感が自分を引きつけてやまなかった。
    そしていつの間にか、アーサーが堕ちていく姿に、昏い興奮とどこか共感や同情を覚えてしまう自分もいた気がします。

    「こんな世界なら、狂わない方がおかしいんじゃない?」

    そしてアーサーはテレビ番組に出演する際、自分を“ジョーカー”と呼んでほしい、と頼み、自分を笑いものにしようとした有名司会者に、弱者の、そして置いて行かれた者の叫びをぶつける。そしてその叫びに世界も同調し……

    当時も観ていて思ったのは、完全なる悪をもう自分はすぐに想像できないんだなあ、と思ったことでした。

    理不尽で不平等な現実世界のゆがみ。それに飲み込まれていくアーサーの姿は、今を生きる自分たちも決して他人事のようには思えない。一歩間違えば、レールから外れ、セーフティーネットからこぼれ落ち、そして誰にも認知されなくなる。

    仕事も、福祉の手も失い、愛したい者も、希望も全てを失ったアーサーの姿は、一歩間違えた人たちの姿を、体現しているのかもしれない。だからこそ、世界を壊す悪になっても、敵意も嫌悪も向けられない。ほんの少しでも、アーサーに同情を覚えたなら、アーサーの姿はどこかに自分の想いを映しているのに違いありません。

    社会はおかしい、世界はおかしい、と。

    発作という面もあるけど、アーサーの笑いはどこか哀しい。高らかな声に反して状況は悲惨だし、笑い声を上げてはいるのに、笑顔とはいえない表情の凄みも計り知れないものがある。この笑いの発作も、演技としてものすごいものがあります。

    子供をあやそうとして、その母親から邪険にされたときに笑い、若者たちに絡まれると分かっていながら笑い、父と信じた男の振る舞いに笑い、母の真実を知って笑い……、
    思い出されるアーサーの笑いは、大抵不幸なときに起こるか、不幸を呼び込むものとして起こるか、だった気がします。

    そんなアーサーが心から笑うために、何を思わなければならなかったのか。ラストシーン近くのアーサーの笑顔は強い印象が残る。このシーンの笑顔だけ、発作とかそういう不自然な笑いとは一線を画したアーサーの笑顔が見られます。

    最初に観た当時は、あまり深く考える余裕も無かったけど、「ジョークを思いついて」と心から大笑いするアーサーの姿は、ピエロの扮装をしたとき以上に“ジョーカー”だったのではないかと思います。というより、あの瞬間が真の“ジョーカー”誕生の瞬間なのかも。

    理不尽な世界と孤独から生まれた悪と暴力。アーサーはカウンセラーから思いついたジョークを話すよう促されると「理解できないさ」とうそぶき、不敵な表情を浮かべる。

    でも観客の多くは、その理解できないはずのジョークをどこか理解できる。理解できるような気がしてしまう。それこそが、この映画の最も恐ろしいところなのかもしれません。

    “ジョーカー”はどこにでもいて、誰でもなり得る。その実感は今も、日々の報道などを見る度に強くなり、改めてこの映画の恐ろしさを思い出させます。

  • 『バットマン』の悪役のジョーカーの誕生物語。大道芸人をしながら病弱な母を支える主人公が、どのようにしてバットマンの最大の敵のスーパーヴィランになったかを描く、つまり社会的弱者の現実に光をあてる作品だった。

    正直直視できない場面もあって、映画館で目を覆った部分もあったので、暴力的な場面が苦手な方はご注意ください。
    あまりアメリカ映画を見ないものの、分かりやすい勧善懲悪なストーリー展開ではないところに新鮮さを覚えた。

    山上容疑者に関するnote(リンク末尾)を読んでいて、あぁ『ジョーカー』観たなと思い出し記録。
    山上容疑者はジョーカーを観た後に「ジョーカーという真摯な絶望を汚す奴は許さない。」というツイートを残しているらしい。
    「分かりやすい勧善懲悪ではない」とは言え、アメリカ映画のストーリーを伝える力はすさまじく、似た境遇の人の心を共感でぶち抜く力強い語りかけの効果があったんだろう。
    『万引き家族』を最近観た感想とも合わさって、黒と白が入り混じりグレーに溶けていく。切なく、読み応えがある記事でした。

    本映画を観た時の感想を少し。タイに赴任した後、フィリピン人の同僚に誘われて観た映画だった。(フィリピン人はさすがアメリカ文化も近い印象があって、誘われる映画は全てアメリカ映画だった。)
    タイでは映画鑑賞前にタイ国王の映像が流れ、楽しい娯楽を楽しめる感謝を国王に捧げて起立しないといけない。そんな新慣習に戸惑った思い出とセットの『ジョーカー』。
    観た後にフィリピン人の同僚と語り合って「真理だよね」と、フィリピンにおける貧富の格差事情を教えてもらった(スペイン人の末裔と、華僑が富を牛耳っていて、政治は腐敗しているけど、既得権益層はその権益を手放したくなくてどうしようもない、という趣旨の話だったと記憶している)

    みんな幸せであってほしい、と思ったときに、それをただの理想論ではなく実行に移すには何から手をつけたらいいんだろう。自分の人生にも必死で忙殺されているという悩みを抱えながら、よき隣人、よき社会の一員であるための第一歩とは?

    「ストーリーテラーを信じるな」、抵抗しつつも自ら堕ちたストーリーの闇~山上徹也容疑者の全ツイート9万文字を読んでわかったこと〜
    https://comemo.nikkei.com/n/ncf3dd0b51461

  • 内容(「Oricon」データベースより)
    「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れる <悪のカリスマ> ジョーカーに変貌したのか?切なくも衝撃の真実が明かされる!




    当時、バットマン3部作を観てから映画を観に行ったので 視聴は2度目。
    映画館ではアーサーの人生の救いの無さに涙が出たんだよね。大画面に圧倒されたのかな?今回は涙は出なかった。
    アーサーは自分なりに地道に生きてただけだよなぁ...脳障害だって生まれた時からってわけではなく 母親のせいだよね。それも自分は養子だった。一生懸命、お母さんの介護をしていたアーサーも もう信じれる人がいなくなっちゃって壊れちゃった感じがする。
    ラストはもう、すべてが妄想なのか現実なのかわからない...ホントに上手く出来てると思った。

  • 「ハッピー…ハッピー。何がハッピーだ。
     幸せなど一度もなかった。
     ──人生は悲劇だと思ってた。
     だが今わかった。僕の人生は喜劇だ。」

    バットマンの名悪役、ジョーカーについての映画。
    彼が如何にしてスーパーヴィランとなったかの顛末。

    …なのだけど、そうとは知らず話題になってたなくらいの動機で観ました。ファンには申し訳ない。
    が、不遇な境遇の男が凶悪犯罪者となるストーリーの映画として、大変面白かった。これはかなりすごい映画なのでは。

    コメディアンを目指しながらピエロの仕事をしているアーサー。彼は老いた母と二人暮しで、本人にも持病(発作で笑いが止まらなくなる)があり、有り体に行って底辺暮らしをしている。母は彼をハッピー、と呼ぶ。
    ある日、3人の暴漢に襲われて勢いのあまり持っていた銃で殺害してしまうところから転落が始まる。

    特に中盤、彼が完全に闇落ちする、ふたりの同僚が訪ねてくるシーンがあまりにもショッキングで、痛ましいけど落ち着いた映画だなくらいに思いながら観ていたので吃驚。
    サイコパスを描くような作品はあんまり観たことがないんだけど(怖いから)、サイコパスってもっと理解不能な存在だろうという認識があった。けど彼が追い詰められて崩壊してしまった過程には理解が及ぶというかそりゃおかしくもなりたいよね、と思ってしまう。

    ところで主演の演技は迫力がありすぎて、アーサーの笑い声は夢に出てきそう。
    ひとり踊るシーンはとても印象的だった。
    彼女が妄想だったのが分かるところも。

    彼の笑い声は泣き声、笑顔は泣き顔だったんだな、と冒頭を見返して再確認。
    繰り返し観ると発見がある映画はいい映画だ。

    冷蔵庫に入ったシーンは謎、と思ったらアドリブだとのこと。でもあのシーン好きだな。アーサーが自分を冷やしたり隠したりしたかったのかなと思いました。

    既存作品のジョーカーもちょっと見てみたいな。

  • 過去のバットマンシリーズで何度も主役以上の存在感を見せるジョーカーがついに主人公に。緊張すると大笑いしてしまう精神障害を持つ売れない芸人アーサーがどうやってジョーカーとなったのか。また、その過程でバットマン一族との因縁やゴッサムシティが無法地帯となったいきさつも描かれる。

    とにかく、ホアキン・フェニックス演じるジョーカーは圧巻。格差社会の底でもがくアーサーが怒りを溜め込み、狂気を爆発させる様は圧倒的で言葉が出ない。共演のロバート・デニーロは「タクシードライバー」の自分を思い出しただろう。

    そして、アーサーの怒りがゴッサムシティ市民に感染し、暴動につながっていく。この流れは現代のアメリカの人種問題デモにそっくり。なるほど、今のアメリカは国ごとゴッサム化しているのか。

  • 2019年 アメリカ
    監督 トッド・フィリップス

    ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ

    バットマンの最強の敵であるスーパーヴィランのジョーカーがどのように誕生したかのお話。
    舞台は80年代、ブルース・ウェインの両親が殺害される頃のゴッサムシティでのお話。
    ん?てことはブルースとジョーカーはめっちゃ年が離れてるんだなぁ?
    とか矛盾がちらほら頭をよぎるけど、ま、そこはひとまず置いといて。

    ジョーカー、、、ジョーカーになる前のアーサー役がホアキン・フェニックス。あの美少年リバー・フェニックスの弟さんですよ。
    リバー・フェニックスも生きてておっさんになったらこんな顔になってたのかなぁ?などと思いながら、そしてホアキンの作品は何も見たことないけど、かなりな怪役者のようで、ジョーカー役にはぴったりだったらしい。

    バットマンの永遠の敵の誕生物語と言いながらもアメコミって雰囲気はなく、観ていてものすごく辛くなる。
    アーサーってのはゴッサムという狂った街で生まれた生活弱者であり、ずっとずっと成功者から虐げられて疎まれていた人生。
    何をやってもうまくいかずに妄想の中でだけ成功者になってる。
    辛いよね、辛すぎる。

    で、結局このお話は全て妄想ってことで、この人、ジョーカーとちゃうんちゃう?
    で終わった。
    だってあのエンディング観て、どう思う?
    どこが現実?どこが妄想?わからない。
    最後まで見終えて振り返ると全てが妄想に思えてくるもん。

    で、たどり着いた私の結論はエンディングのアーカムは現在でジョーカーの話を聞いたアーサーもしくはジョーカーになる輩が80年代のゴッサムの妄想を思いついたってお話。
    どうですか?(笑


    ダークナイト3部作を観て、ドラマのゴッサムをファイナルシーズンまで観て、映画ジョーカーを観て、、、やっぱりダークナイトに戻らないとダメだなって思ったので、ダークナイト3部作を再視聴するつもり。

  • 何度も見返して、謎解きしたい気分。
    孤独の連鎖と、届くことのない叫びと、少しの共感が交錯する。

  • ホアキン・フェニックスの濃さが好きかどうかが、この映画に対する向き合い方を変えるかもしれない。
     さいわい私は、好きなのです。『her』『ザ・マスター』でも、彼の狂気が滲む演技が、人間に潜む抗えない本能を表現しているようでいて惹かれてしまうのです。
    この江頭2:50にも似たホアキン・フェニックスの濃さは、映画を「現実の世界に蠢くものに目を向け、直視せよ!」という役割を果たしている。
     エンタメで表現されるその場限りのキズを舐め合い、癒し合うのは止めてもっと『深いいところで苦悩と葛藤しろ!』と言っているようである。

     「世の中は正常に機能しているのか?」「それは俺に責任があるのか?」「責任とは何だ?」「俺はなんでも引き受けてやる。」という台詞を字幕のあいまに見てしまった。

  • 「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見て病院の慰問などして頑張っている、孤独だが心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)。
    都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィー(ザジー・ビーツ)に秘かな好意を抱いている。
    だが、ゴッサムシティでは貧富の格差が広がり、暴動や犯罪が多発しピエロの大道芸人をしていたアーサーは不良少年から度々リンチされる被害に遭い、バスで会った親子に戯けて見せれば変人扱いされ、社会保障費の削減のせいでカウンセリングなどの医療サービスを打ち切られ、アーサーの母親が昔家政婦をしていたゴッサムシティ一番のセレブに手紙で助けを求めても返事はこない。
    笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーは、徐々に社会に絶望していき狂気が増していく。
    そんなある日いけすかない証券マンからリンチにあったのをきっかけに、アーサーは正気のタガがはずれていき狂気溢れる <悪のカリスマ> ジョーカーに変貌していく。
    バットマン最大の敵ジョーカーの誕生秘話を描いた作品。
    コメディアンになるためにピエロの大道芸人をやってもイジメられ嗤われ、カウンセラーの指導に従っても前向きになれず、社会保障費の削減で市民カウンセラーや医療や介護のサービスを打ち切られ、母親の介護と生活で疲れ果て、母親が家政婦をしていたゴッサムシティ一番のセレブに経済的援助を求めても知らぬふりどころかテレビのインタビューで「ピエロ」呼ばわりされ、発作的に笑いが止まらなくなる障害のせいでまともにネタがステージで出来ず、アーサーの生きがいの大道芸人の仕事を奪われて、正気を徐々に失っていったアーサーが、地下鉄で証券マンからリンチを受けたことをきっかけにタガが外れて、富裕層に不満を持つ人々に後押しされ悪のカリスマ「ジョーカー」として覚醒していく過程が、富裕層に不満を持ち暴動を起こす人々や貧困層をゴッサムシティ一番のセレブが「彼らはピエロにすぎない」とせせら笑うシーンやアーサーが社会から受ける仕打ちやジョーカーを富裕層に不満を持ち暴動を起こす人々がカリスマとして祭り上げる過程など格差社会が激化する現実の風刺を絡めつつ、社会の格差や制度の不完全さや無関心に踏みにじられる人々の怨念と狂気がジョーカーを生み出しジョーカーがあるヒーローを生み出すきっかけを作るという負の連鎖、アーサーからジョーカーに変貌する心情の変化や狂気を演じ切ったホアキン・フェニックスの鬼気迫る演技に背筋が凍るアメコミ映画の皮をかぶった社会派サイコサスペンス映画。
    「狂気というのは重力みたいなものさ。たった一押しで真っ逆さまさ」〜「ダークナイト」でのジョーカーの名言より。

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