- Amazon.co.jp ・電子書籍 (134ページ)
感想・レビュー・書評
-
約30年前、結婚式当日に失踪した元恋人・未帆子をフェイスブックで見つけた主人公・水谷は、当時のことを思い出して文通を始める。メッセージのやり取りの中で、二人の出会いからお互いの秘密、そして未帆子が水谷の前から姿を消した謎まで次々と明かされていくが…。
佐藤正午「ジャンプ」をイメージしながら読んだ。未帆子はきっと水谷の女性関係が原因で身を引いたんだろう、と想定しながら。この予測はすっかり裏切られ、ラストに意外などんでん返しが。読んでいくうちに、水谷、未帆子のキャライメージが次々変わっていくのがまあ面白かった。
解説に「この作品はいわゆる「ミステリー」ではありません。ミステリー的な雰囲気はありますが、ミステリーというジャンルに区分けされる作品とは言えません」とあるが、提示された謎が徐々に解明されていく、典型的なミステリーだよな。少なくとも自分はミステリーにカテゴライズしておく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミスリードされないように、身構えながら読んだのだが、そもそも、そういう問題ではなかった。
解説にもあるように、ミステリーではなく【何とも分類しようがない小説】。
書簡小説の構成で、未帆子と水谷一馬のfacebookメッセージのやり取りのみで進んでいく。
遊園地のティーカップに乗せられているように、目まぐるしく変わる景色。そして、読み終えた時は、すっかり乗り物酔いに陥った。
話題作というだけのことはある、それは間違いなかった。 -
ある男が、二十八年前に結婚を約束した元恋人の女性をフェイスブック上で偶然発見し、メッセージを送信する。そこから始まる男女のメッセージのやり取りを描いた作品。
メッセージのやり取りが進むに連れ、当たり障りない内容から、二十八年前に起きた出来事の真実に近づいていき、男女の本性が明らかになる。
2人の本性を知った後に改めて読み直すと、初見では当たり障りないと思っていた部分も全く違う印象に変わる。まさに、見方によって「壺」に見えたり「向き合った二人の顔」に見えたりする「ルビンの壺」のようである。
本性を知った後だと、そもそも女性側がメッセージに返信することに違和感が生じる等、突っ込みどころも多々あるが、コンセプトとしては面白い作品だった。 -
ある男が大学生時代に付き合っていた彼女の名前と同じフェイスブックのアカウントを見つけるところから始まる。まさかという思いは的中。それは当時の恋人のアカウントであった。そこからメッセージのやり取りで大学生時代の思い出話に花を咲かせていくが…。
自身の感想としては最後のあの一言が衝撃。読み終えた後は衝撃にただ呆然としていた。読書歴の浅い私には面白い本であった。「ルビンの壺」の特徴である視点の違いによる見え方の違いからどんでん返しを実現している。薄い本なのであっという間に読めてしまう。読んで良かった。 -
Kindle Unlimitedで読みました。なんか話題になってると聞いたことがらある気がしたので。最初からホラーかなという感じでしたが、こわ。胸糞悪い話でした。なぜ女性の方はこの人とメールしようと思ったのか謎でした。
-
湊かなえの「往復書簡」を読んだ後に、その余韻の中読み始めたのもあり、「書簡もの、趣あっていいな」などと思っていたのですが。
言いたい事は担当編集者さんの後書きで全て言ってくれていて「そうそう、錦繍っぽいって思ってたよ」とちょっとやさぐれました。前情報なしで読んだので驚きは楽しめましたがあんまり好きじゃない終わり方でした。