ダーウィン事変(1) (アフタヌーンコミックス) [Kindle]

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  • 人間とチンパンジーの交雑種"ヒューマンジー"として産まれたチャーリー。15歳になった彼が、高校という人間社会に入っていくところから物語は始まる。


    「私ずっと気になっていたの。ヒューマンジーなのってどんな感じ?私たちとは世界の見え方が違う?」

    「僕も不思議に思ってる。人間なのってどんな感じ?」


    初っ端から村上春樹か、と思わせる小洒落た会話、知的で考えさせられるマンガが読みたいわなんて気取っている諸氏はもうイチコロです。舞台がアメリカだからか、アメリカ映画っぽい空気感があるのも目新しくて良い。

    物語が内包するテーマは壮大で重い。生命倫理、動物愛護、人権、多様性など、人権派や社会派が大はしゃぎしそうなテーマがてんこ盛りである。

    ストーリーもキャラクターも良く、てんこ盛りを食べてる感じはせずテンポ良く読める。が、これからどうなるか。この手の題材は生半可に着地すると陳腐になってしまうし、変に説教くさくなるのもつまらない。

    人間と他の生物との倫理、みたいな題材でいうと、今まで寄生獣を越えるマンガを読んだことがない。あれは題材もストーリーも終わりも良かった。主人公が半分人間、半分人間ではないって立ち位置もどこかこの作品に近しいものがある。ってことは似たような結末になっちゃうかな?って匂いもしなくはない。利己的になっちゃうよね、にんげんだもの、的な。そこは良い意味で裏切ってほしいところ。

    チャーリーの言うことが本質的かつ合理的で正しい、という単純な流れになるのが一番興醒めだ。人間が利己的でありながら利己的であることに無自覚なのは滑稽だが、利己的であること自体の是非は簡単に論じられるものではない。その点において、チャーリーがやや超人的に、達観した存在として描かれてることに危惧がないわけではないが、それもこの後の展開を楽しみにしたい。

  • なかなかに衝撃的な作品です。
    チンパンジーと人間の間に生まれた交雑種ヒューマンジーの少年を取り巻く人間達の争いの醜さに息が詰まりそうになります。
    巻数はまだ5巻しか出ていませんが、物語的にだいぶクライマックスを迎えてる気がするので、変に引き伸ばさず、バシッと終わってくれたらいいなと思っています。

  • 文句なく、今年読んだ中で1番おもしろい漫画。

  • 面白い。
    チャーリーを超人的存在として描き、彼の合理的で本質的な思考を投げかけることで人間の常識を再考する構成はいいと思う。
    だけどヴィーガンも宗教もジェンダー論も合理的な説明を加えることで正当化、普遍化することには少し違和感を感じる。どんなことももっともな説明を与えることは容易で正しく聞こえさせることができる。
    痛覚の有無から動物愛護を進める考え方は危険だ。忌避行動は生物である以上当たり前のことで、痛覚もその一つだ。動物の気持ち本位にして考えてしまうとその範囲は無限に増やすことができてしまう。

    結局人間は利己的で人間本位でいいはずだ。

  • 超先行SDGsマンガとお見受けした

  • 面白いの一言

  • 表紙のイラストに個人的にあまり惹かれず手をつけていなかったけど、よく紹介されているのを見てまずは無料になっていた一巻を気になって読んだら、すごく面白い。結局まんまと大人買いしてしまいました。今となってはイラストも良い。

  • けっこう話題になってたけど、スルーしていた。
    でも、『えれほん』の作者だと知って読んでみた。
    1巻から既に面白い。
    主人公のある種達観したモノの見方。
    人間は人間以外の動物を下に見ている。

  • かなーりストーリー面白い
    絵もアフタヌーンらしい絵柄で好き
    テロやモラリスト、動物愛護、アメリカの風刺的な話を軸に展開されるシリアスな物語が最高です。
    星5でも良いのですが、まだ話数も少ないので一応4。

    今読んでおくべき作品です

  • 設定の妙はありそう。意外に淡々とした進行

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著者プロフィール

漫画家。作品集『パンティストッキングのような空の下』が「このマンガがすごい!」2017(宝島社)のオトコ編第4位にランクインし、話題になる。
本作『ダーウィン事変』にて「マンガ大賞2022」大賞受賞、第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞、「このマンガがすごい!」2022(宝島社)のオトコ編第10位ランクイン、第1回「CREA夜ふかしマンガ大賞」6位ランクインなど、数々の賞を獲得した。
他の著作に『ユートピアズ』『一匹と九十九匹と』『ピンキーは二度ベルを鳴らす』『えれほん』など。

「2023年 『ダーウィン事変(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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