ジャンルを形成した感もある民俗学ミステリの走りのようなシリーズ。ミステリとして薄味なのも、民俗学のエピソードと事件部分の関わりに無理があるのも、このジャンルのお約束のようなもの。うまくいってるとは言いがたいが、この程度が気になる人は、このジャンルは読まない方がいいだろう的な言い方をするしかないか。それより気になったのが、シリーズの二冊目で、キャラの説明もとっくに終ってるのに、ほぼ全作で、那智が如何に偉大で、如何にすごいかという賛辞が、何度となく、かなりの紙幅をとって繰り返されること。これは正直気味が悪い。しかも那智の三国に対する言動はパワハラ以外の何ものでもない。パワハラに向けられる目が、今よりずっと緩かったとは言え、こういう「麗しき徒弟関係」的なものを、手放しで讃える筆致には、さすがに引く。ので、それぞれ星一つ減らしておいた。あしからず。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年7月19日
- 読了日 : 2022年7月19日
- 本棚登録日 : 2022年7月19日
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