再読。
最後に主人公が「形のないもの、目に見えないものが自分を助けてくれる」という希望を学びとるのが良かった。
村上春樹作品は、世の中は不条理で私たちはそれに抗う術を持たない、と訴えているものが多いように思うけど今作は明らかに希望を語っている。
根拠のない自信、根拠のない希望。
そこから東日本大震災に話が繋がるのが納得感があった。
見知らぬ誰かの幸せを祈るのは、見知らぬ誰かが自分の幸せを祈ってくれていると信じることに繋がる。
何も慰めにならない現実に対して抗うには、自分の中に希望を持つしかないんだよな。
その希望を持てなかったのが免色なのかなと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年3月10日
- 読了日 : 2021年3月10日
- 本棚登録日 : 2021年3月10日
みんなの感想をみる