6月18日読了。日露戦争は大詰めを迎える。児玉源太郎の采配による旅順陥落、バルチック艦隊の苦難の航海、満州にて日本陸軍を圧倒すべく動き出したロシア陸軍との戦いなど。ときどき著者の司馬遼太郎が顔を出して、太平洋戦争の話(この人はよっぽどこの時代の日本軍が嫌いなのね)や織田信長の話をしたりするが、それも読み応えがあってたのし。戦争を左右するのは、兵士が何万人対何万人で、砲台が何門、という物理量であることは勿論だが、ロシアをけん制するため日本と同盟を結んだ英国のバルチック艦隊への妨害や、帝政ロシアに反抗する革命組織に大金を投じ、ロシア内部に揺さぶりをかける明石元二郎の工作など外交・諜報が与える効果も非常に大きいものだということを感じる。歴史は単純じゃないものよなあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年6月19日
- 読了日 : 2011年6月19日
- 本棚登録日 : 2011年6月19日
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