新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (1999年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105815

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新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  •  なんだか戦況がだんだんよく分からなくなってきました(苦笑)。戦況の話はなぜか頭にはいらないのに日・ロの政治体制とかの話や、ロシアの艦隊のグズグズっぷりの方がスッと頭に入るのは、
    権力者のそうしたグズグズさの方が面白く感じる自分の性格の悪さのせいでしょうか。

     この巻で面白かったのは諜報員の明石源次郎。
     諜報員なのに偽名を使わず時に体当たりでスパイ活動をする何とも型破りな人物。その活動の根底にあったのが作者の語るように、国のために死んだとしてもスパイだと名前が残らないことに対する抵抗だったのかは分かりませんが、もしそうならなんだかとても人間臭い人物だな、と思いました。

     ロシアの革命の機運や欧米の動きも書かれていて、それもまた興味深く面白かったです。読めば読むほど日本が日露戦争で負けなかったのは、当時のロシアの国内混乱や革命気運のおかげだったのだな、としみじみと感じます。

     司馬遼太郎が作中で日露戦争後、日本がロシアの敗因を分析していれば、神風の信仰もなくその後の無理な太平洋戦争に突き進むこともなかっただろう、と書いているのですが、
    それが非常に的を得ているな、と感じました。大国ロシアに対して奇跡的に負けなかったのもきっと、奇跡なんかではなく様々な要因が積み重なった必然で、それを見誤ると大変なことになるのは、国家でも個人でもきっとあまり変わりはないのでしょうね。

  • やっと…やっと六巻終了!


    切ない、バルチック艦隊が切ない…!!!




    冬場の太平洋の荒波、船中26時間で死にそうだった私には、とても艦隊勤務は無理だと思ったのですが、六巻のバルチック艦隊…そりゃ発狂もしますよ…!!!

  • ロシア軍反転攻勢による黒溝台会戦。全軍壊滅の危機の中で見せる秋山好古の豪胆さに明治時代の日本人の気骨を感じます。(砲弾飛び交う司令部でブランデー片手にニヤリと笑うシーン)。
    ロシア革命を煽動させる明石元二郎の欧州での暗躍も描かれ、世界史の中での日露戦争の位置付けも見えてきます。

  • 6巻目。
    いよいよバルチック艦隊がやってくる。
    陸軍・海軍共に奮闘している様子に感動した。
    続きが早く読みたい。

  • 率直な本巻の感想…つなぎの巻という感じ。少し一息。明石元二郎の大諜報の貢を重く置きあとは今までの経過を延ばしたという印象。

    日本の不慮によっておこった黒溝台会戦からこの巻は描かれる。秋山好古の孤軍奮闘の様子と本部の無能ぶりが対照的であった。現場第一主義を身を以て感じた。

    今回もロジェストウエンスキーについて長く触れられていた。未だ05年1月からマダガスカルから石炭が確保できないために足止めをくらい、旅順艦隊壊滅の知らせ、本国の革命勢力がいよいよ強くなってきたという知らせを受け取りながら、ロシアに戻るのかウラジオへ向かうのかという精神の葛藤の中で大艦隊の指揮をこなしてきたことにおいてはとてつもない精神力なのだと思った。最終的に日本海まで全艦隊を引き連れていく事に成功するのだから。指揮官としては司馬さんの述べているように適当ではないかもしれないが。

    明石の活動に関しては
    「明石の仕事はこういう気流を洞察するところから始まり、それにうまく乗り、気流のままに舞い上がることによって一個人がやったとは到底おもえないほどの巨大な業績をあげたというべきであり、そういう意味では、戦略者としての日本のどの将軍たちよりも卓越しておりー君の業績は数個師団に相当する。と、戦後先輩からいわれた言葉は、まだまだ評価が過小であった。」に要約されているのではないかと思う。

    奉天会戦にむけて各軍司令部がはじめて結集し、最終作戦について松川参謀の左翼:能乃木軍、右翼:鴨緑江軍で誘導させ中央突破するという案の確認を行うところで本巻は終わる。

  • 日露戦争と同時期にロシア国内および周辺国で行われた諜報業務が描かれており、前線の生々しい描写とは異質なもので新鮮だった。この「大諜報」の章では”ウラジオストック”という地名がロシア語では”東を征服せよ”という攻撃的な名前であることを知った。

  • 閑話休題。今回は物語りはあまり進みません。日本の政治家はこの頃から、周りの空気や私情に流されていたんですね。

  • 亀だけどなんとか6巻まで読破!大諜報の章が個人的には面白かった。中学、高校の時に世界史で読んだ事件が何故起こったのか?が丁寧に解説されていて、面白い。

  • 旅順攻略後の二○三高地の表現がスゴい。

    足もとに注意せねばならなかった。足が地面につきささっていたり、片腕が地面から生えて手まねきしているようなものもあり、さらには人間の首が土を噛んでころがっており、新戦場というようなものではなく、悪魔がせいいっぱい想像力を働かせても、これ以上に残酷な風景はつくれまいとおもわれるほどのものであった。


    そして、ロシア政治の官僚主義による腐敗を描きながら、今度は日本陸軍の官僚主義の出現フラグがこの六巻から出てきます。

    司馬遼太郎による、人間、政治、国の描写が素晴らしく、太平洋戦争へ続く日本政治の腐敗原因、人間としてどうあるべきかが描かれています。いや〜すごい。

  • 決死の防戦となった黒溝台を経て陸軍はついに奉天へ。日本は国庫、ロシアは皇帝政治の腐敗という内部問題を抱えつついよいよクライマックスへ突入。明石元二郎の欧州での攪乱工作、マダカスカル島で悶々とした日々をやつすバルチック艦隊の章も面白い。その艦隊をさしてマスコミに「行こかウラジオ、帰ろかロシア、ここが思案のインド洋」と応じた秋山真之のコメントが冴えすぎw

  • 6月18日読了。日露戦争は大詰めを迎える。児玉源太郎の采配による旅順陥落、バルチック艦隊の苦難の航海、満州にて日本陸軍を圧倒すべく動き出したロシア陸軍との戦いなど。ときどき著者の司馬遼太郎が顔を出して、太平洋戦争の話(この人はよっぽどこの時代の日本軍が嫌いなのね)や織田信長の話をしたりするが、それも読み応えがあってたのし。戦争を左右するのは、兵士が何万人対何万人で、砲台が何門、という物理量であることは勿論だが、ロシアをけん制するため日本と同盟を結んだ英国のバルチック艦隊への妨害や、帝政ロシアに反抗する革命組織に大金を投じ、ロシア内部に揺さぶりをかける明石元二郎の工作など外交・諜報が与える効果も非常に大きいものだということを感じる。歴史は単純じゃないものよなあ。

  • 司馬遼太郎が,現在の日本について資料を集めて分析したら,どのような評価を下すかが気になる。一国の重責を担う人物は,それにふさわしい器と運を持っていなければならず,そうでない人間が分不相応な地位に着くことは,本人だけでなく,その組織の構成員,国にあっては国民を不幸にするということがひしひしと伝わってきた。今の日本に通じる部分が多い。ただ,解決策が提示されているわけではない。それは,現在のわれわれが考えなければならないのだ。

    ちょっと「右は余談」というのが多い。戦争についての分析で興味を持てない部分も。

    「黒溝台会戦の戦闘経過の惨烈をつぶさにみてゆくと,かれら東北の若者達が全日本軍をその大崩壊から救ったその動態のひとつひとつを記述したいという衝動を抑えきれない。」
    「が,歴史というものは,歴史その者が一個のジャーナリズムである面を持っている。立見尚文は東北のいろり端でこそ『軍神』であったが,他の地方ではほとんど知られていない。旅順における乃木希典は,最後の一時期にいたるまでは史上類のない敗将であり,その不幸な能力によって日本そのものを滅亡寸前にまで追いつめた人であったが,戦後,伯爵にのぼり,貴族でありながら納豆売りの少年などに憐憫をかけるという,明治人にとって一大感動をよぶ美談によって浪曲や講釈の好材になり,あたかも『義経記』における義経に似たような幸運をもつことができた。
     乃木希典はそういう点でめぐまれていたが,立見尚文は乃木の場合のように長州閥の恩恵を可分に浴するということがまったくなく,何度かふれたように旧幕系の人であり,明治陸軍のなかでは孤独な存在であった。」

    「『専制国家はほろびる』
    というただ一つの理由をもって,この戦争の勝敗のよそうにおいて日本の勝利のほうに賭けたのは,アメリカ合衆国の大統領セオドア・ルーズヴェルトであった。・・・
     二流若しくは三流の人物(皇帝)に絶対権力をもたせるのが,専制国家である。その人物が,英雄的自己肥大の妄想をもつとき,何人といえどもそれにブレーキをかけることができない。制度上の制御装置をもたないのである。」

  • 大きな山場があるわけではないが、最後へ向けての準備という段階だろうか?秋山好古の大物ぶりが記憶に残った。

  • 本巻においては、序章の黒溝台会戦以外は戦闘記は少なく、日露戦争を取り巻く周辺状況や次なる会戦の奉天への下準備が描かれている。どちらと言うと私は戦闘記は得意なほうではないので(前にも述べたが、軍事マニアではないため)、本巻のような内容は楽しくかつ迅速に読むことが出来て良い。

    最も楽しめた章が「大諜報」と銘打たれた、明石元二郎大佐のロシア革命扇動の記述である。ロシア革命は、レーニンによって指導され1917年に起こったというのは世界史で習う内容なのだが、まさか日露戦争を優位に導くために日本の軍人がロシア革命に一枚噛んでいるとは知らず、非常に面白かった。中でも、スウェーデンの首都ストックホルムでの地下活動として諜報と革命扇動に邁進する姿はハラハラさせられた。革命自体は日露戦争終結後10年以上経過してから起こるのであるが、明石元二郎の活動により革命機運が高まり、ロシア内政が乱れ、それが満州軍やバルチック艦隊に悪影響を及ぼさせたことにつながるとすれば、明石元二郎は日露戦争の陰の大立役者である。本巻には登場しないが、戦費調達のためロンドンなどで外債募集に尽力した高橋是清なども同様である。金が無ければ戦争など出来はしないのだから。こう見ると、日露戦争勝利は、陸海軍含めた軍人のみの功績だけでは決してなく、戦争に関わったあらゆる層の人間の努力の賜物だと言える。大国ロシアにはそれが出来なかった、若しくは個々では尽力したものの各々のベクトルが統一されていなかったためではないだろうか。

    ほか、心に残ったセンテンスを紹介したい。今回は一つだけである。
    「作戦目的というのは、一行か二行の文章で足りるのだ。るる説明しても分からないような作戦目的というのは、もうそれだけでろくなものではない」
    →奉天会戦前に、大本営の政略上作られた鴨緑江軍設立の趣旨や目的を、山県有朋から聞かされた川村景明(鴨緑江司令長官)が語ったセンテンス。非常に分かる。私も仕事をしていて、幹部や本社から流れてくる通達や起案文書を読んで、「いったい何を言いたいんだ!?」と首を傾げることがよくある。もっとも私の読解力不足という点もあるだろうが。
    「言いたいことは簡潔に分かりやすく」は、ビジネスに限らず社会においての基本である。

  • やっと6巻まで来た! 正岡子規が死んでから(物語の中で)急に興味を失って読むのを止めていたが、二〇三高地のあたりからまた面白くなってきた。日本が近代国家として産声をあげ、若く生き生きとしていた時代、”Japanドリーム”があった時代。読んでいてわくわくする。

  • いつのまにか秋山兄弟も子規もどこ行ったんだか出番がとんとないのだが、単純に日露戦争の話として面白い6巻。
    しかし資料として読んでいれば「阿呆だなぁ」と思っていられるが、当時当事者だった人たちはこの戦争とこの戦争にまつわるしょうもない事情のおかげで実際に命を落としてしまっているわけで、今更どうしようもないがやるせない。
    まぁ戦争なんていつの時代にどんな大義名分のもとでやろうが似たようなものかもしれないが。

  • かなり丁寧に史実を検証して、書かれているな~
    読んでいて、情景がもの凄く想像できて、ぞくぞくした


    それにしても秋山兄弟って破天荒だな~
    乃木大将の印象が180度変わった・・・
    勇猛果敢じゃなかったのか・・・

  • この時期の日本って、なんでこんなにも志士が多く存在するんだろう。
    現代の方が様々な制度が確立し、社会はうまく回っているはずなのに。

    自ら見失わずに、志高く生きたいっす

  • 外交の圧力で燃料補給もままならないまま、アフリカ大陸をぐるっと回ってマダガスカル島のノシベで駐留するバルチック艦隊。

    外交でロシアの内側から揺さぶりをかける明石。ロシアに蹂躙されていたポーランド、フィンランドの反ロシア派を巻き込んでじわじわとロシア国内の政情を不安定に。

    厳冬の中、北進し本隊に合流するも疫病神扱いの乃木軍。

    戦争の多面的な要素が此の巻で読み取れる。

    いままさに北朝鮮とアメリカで舌戦が繰り広げられているが、北朝鮮の外務省がロシアに接触したニュースなんかは、調停の依頼をしているのか?とか、この本と現実が重なって見えて… 良いのか悪いのか…







  • 黒溝台会戦勃発前の日本軍の悪手から奉天会戦直前までの第六巻。黒溝台では司令部の判断力欠如を現場の軍人が補う恰好で、この戦いが本当に綱渡りな勝利であることがこのエピソードでも語られ、この大戦で負けた場合の日本の今日を考えると寒々とします。
    明石の諜報作戦、バルチック艦隊、ロジェストウェンスキー航海も読みごたえあり。特にバルチック艦隊は前巻よりじわじわ進んでおり海戦の章が不謹慎ながら楽しみになってきます。最終的に日本が勝つとわかっているので安心して読めるが、愛国心をもって読んでしまいます。秋山兄弟の出番は薄く児玉源太郎など首脳陣達の人間ドラマが楽しめます。

  • 日露戦争は一旦小休止し、ロシア艦隊の停滞振りと、日本軍の満州決戦準備に多くの頁が割かれているので、全体的に動きがなく中弛みの印象。

  • 2017.04.14読了。

  • 黒溝台会戦~奉天会戦

  • 前巻からもうずっとやけど、こんなに危うい状況で、作戦をたてて邁進した人たちのことを思うと、心臓がいくらあっても足りない。
    その各々のことを事細かに伝える司馬遼太郎はほんまにすごい。
    事細か過ぎてやっぱり上滑り。笑
    あと2巻!あとちょっと!

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新装版 坂の上の雲 (6) (文春文庫)の作品紹介

作戦の転換が効を奏して、旅順は陥落した。だが兵力の消耗は日々深刻であった。北で警鐘が鳴る。満州の野でかろうじて持ちこたえ冬ごもりしている日本軍に対し、凍てつく大地を轟かせ、ロシアの攻勢が始まった。左翼を守備する秋山好古支隊に巨大な圧力がのしかかった。やせ細った防御陣地は蹂躪され、壊滅の危機が迫った。

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