2015年10月6日読了。市の実力者ポールのために何でも仕事を引き受ける博打うちのネドは、近くに選挙が迫った時期に目撃した殺人事件を追ううちに、様々な人物の思惑にさらされ・・・。ハードボイルドの古典。真のハードボイルドはこの小説のように、主観的に人物の心理を描写するのではなく「○○は△△した」とただ行動だけをもって描くもの、なのだという。人物が何を考えているか分からないので、読んでいる最中に独特な緊張感が産まれる・・・考えてみれば映画だって登場人物はいちいち「私は悲しかった」などと語ったりはせず(そういう映画はつまらないものだ)こちらは人物の表情や仕草から感情を類推するしかない。行動を描くためにはディテールの描写も必要であり、してみるとハードボイルドとは映像と相性のいい文学ジャンルと言えるのかな?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ小説
- 感想投稿日 : 2015年10月6日
- 読了日 : 2015年10月6日
- 本棚登録日 : 2015年10月6日
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