ガラスの鍵 (創元推理文庫 130-3)

  • 東京創元社 (1960年5月20日発売)
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本棚登録 : 49
感想 : 7
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2015年10月6日読了。市の実力者ポールのために何でも仕事を引き受ける博打うちのネドは、近くに選挙が迫った時期に目撃した殺人事件を追ううちに、様々な人物の思惑にさらされ・・・。ハードボイルドの古典。真のハードボイルドはこの小説のように、主観的に人物の心理を描写するのではなく「○○は△△した」とただ行動だけをもって描くもの、なのだという。人物が何を考えているか分からないので、読んでいる最中に独特な緊張感が産まれる・・・考えてみれば映画だって登場人物はいちいち「私は悲しかった」などと語ったりはせず(そういう映画はつまらないものだ)こちらは人物の表情や仕草から感情を類推するしかない。行動を描くためにはディテールの描写も必要であり、してみるとハードボイルドとは映像と相性のいい文学ジャンルと言えるのかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ小説
感想投稿日 : 2015年10月6日
読了日 : 2015年10月6日
本棚登録日 : 2015年10月6日

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