グレート・ギャツビー (新潮文庫)

  • 新潮社 (1989年5月20日発売)
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第一次世界大戦後の頃の狂騒な時代のアメリカがよくわかる。
成り上がり者。金持ちと貧乏。西部のモラルと東部のモラルと言う違う意識の存在。アメリカンドリーム。。。

全ては主人公ニックの言葉にこの物語は集約されている気がする。

『ー今にして思えば、この話は、けっきょく、西部の物語であったートムもギャツビーも、デイズィもジョーダンも、それからぼくも、みんな西部人である。そしてぼくたちはたぶん、ぼくたちを東部の生活になんとなく適合できなくさせる、何か共通の欠陥を持っていたのだろうと思うー…ギャツビーは、その緑色の光を信じ、ぼくらの進む前を先へ先へと後退してゆく狂躁的な未来を演じていたー…こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでいく。』

デイズィの罪を被って殺されたギャツビーの死後、その真実は埋もれたままで時が過ぎている。デイズィがどういう気持ちで生きているのかわからないまま物語は終わっているが、歪んだ富裕層に対する著者の批判も込められているのでは、とも思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月8日
読了日 : 2022年7月7日
本棚登録日 : 2022年7月4日

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