ロング・グッドバイ

  • 早川書房 (2007年3月8日発売)
3.86
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本棚登録 : 1687
感想 : 212
5

私が読んだのはハヤカワ文庫版ですが。

村上春樹のエッセイとか対談であまりにもしばしば出てくる存在。
「都会の空虚さ」(と、それへ吸収されたいという欲求)を語るときとかね。
通常、あまりミステリー小説は読みません。
探偵ものはとくに。

「探偵もの」って」読まないので解りませんが、私の世代で「探偵もの」といえば、
小説でも映画でもなく、金田一少年の事件簿とか名探偵コナン、それからそもそもの金田一シリーズか。古畑任三郎も好き。これはかなり好き。(べつに田村正和だからって”だけ”ではない。)

あのあたりって、エピソード一編一編が短くエンターテイメントだから、その一回のなかに事件があって、トリックがある。それを解決する一連の流れがある。
つまり、話の本筋≒トリック。その解読。
**

拡散してきた。
つまりトリックは二の次なのですね、この本は。
トリックではなく、春樹先生の言葉の解説では「景色」。
”事件を取り巻く”と言ってもいいけど、むしろマーロウの切り出す「景色」の中に、偶然に「事件」が内在していた。
そういう感じ。

非常に魅力的。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年11月6日
読了日 : 2010年11月6日
本棚登録日 : 2010年11月6日

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