私が読んだのはハヤカワ文庫版ですが。
村上春樹のエッセイとか対談であまりにもしばしば出てくる存在。
「都会の空虚さ」(と、それへ吸収されたいという欲求)を語るときとかね。
通常、あまりミステリー小説は読みません。
探偵ものはとくに。
「探偵もの」って」読まないので解りませんが、私の世代で「探偵もの」といえば、
小説でも映画でもなく、金田一少年の事件簿とか名探偵コナン、それからそもそもの金田一シリーズか。古畑任三郎も好き。これはかなり好き。(べつに田村正和だからって”だけ”ではない。)
あのあたりって、エピソード一編一編が短くエンターテイメントだから、その一回のなかに事件があって、トリックがある。それを解決する一連の流れがある。
つまり、話の本筋≒トリック。その解読。
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拡散してきた。
つまりトリックは二の次なのですね、この本は。
トリックではなく、春樹先生の言葉の解説では「景色」。
”事件を取り巻く”と言ってもいいけど、むしろマーロウの切り出す「景色」の中に、偶然に「事件」が内在していた。
そういう感じ。
非常に魅力的。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年11月6日
- 読了日 : 2010年11月6日
- 本棚登録日 : 2010年11月6日
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