ラオスのご老人検死官シリ先生の一作目。シリーズと知らずに先に二作目は読了済。どなたかのレビューにもあったように、いきなりこの作品を読んだとしたら、世界観に入り込むのに苦労したのではないかと思います。偶然だけど先に「三十三本の歯」を読んでいて良かった。死者の霊魂と意志の疎通ができてしまう老検死官が、社会主義国ラオスの官僚社会の中で事件の真相を探偵ばりに解き明かしてゆくお話。会話がとてもシニカルで楽しい。逆にこのシニカルな感じを楽しめないタイプの読み手だと、何が起こっているのかわけがわからないままくだらない会話が続いて妙な儀式は出てくるし、つまらないと思って終わりかも。ラストはちょっと意外だった。歯の方から先に読んでいたのでそういうことか、と思い出して後から納得。アジアンな雰囲気の不思議ミステリ。面白かったです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ/コージー
- 感想投稿日 : 2012年10月13日
- 読了日 : 2012年10月11日
- 本棚登録日 : 2012年10月13日
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