この春樹作品は、さらさらと読みやすく、ファンタジー要素のない物語。
主人公の僕が12歳のところから始まり、その時の同級生の島本さんをずっと想い続けながら、何人かの女性と関わり、そして傷付けていく。
結構ひどい男だ。
愛する妻と二人の娘、順調な仕事、裕福な生活。
それなのに心には埋められない穴がある。
作品全体が、哀しみに包まれている。そんな印象。
そして春樹作品らしく、そこには音楽が流れている。
島本さんと雨。島本さんと雪。
描写のひとつひとつが美しくて哀しい。
妻、有紀子とのラストのシーンだけが現実みを感じる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2019
- 感想投稿日 : 2019年8月18日
- 読了日 : 2019年8月17日
- 本棚登録日 : 2019年8月18日
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