聞く力…。阿川さんの不思議な力を感じたのは、本著の柱である週刊文春の対談連載。再結成したSPEED4人がゲストの際、ファン歴15年の私が知らなかった、解散の本当の理由。「“普通の感覚”がないまま、大人になるのが怖い」と語った寛子の言葉が衝撃的で、ずっと知っているようで知らなかった、知ることを避けていた空白の部分を知り、スッと一本の線になった。寛子自身がこの対談後、今まで伝えてなったことを、初めて言葉にし、言葉にできたのは阿川さんのおかげだと言っていた。

本著を読めば、誰しもが聞く力がつくとは思わない。この著に書かれていることは、ごく当たり前なこと。
しかし、新書にもかかわらず、どんどん読める。なるほど、阿川さんと会話するとはこのことか。
聞く力は阿川さんの才能だと思う。だから、この著には聞くための技術や方法論は書かれていない。

本著を通して、阿川佐和子と対談すること。それがこの著を読む意味。

対談を通して、伝わったこと。それは“具体的”ということ。
どんなにいい経験をして、感じたことがあっても、それが具体的でなければ、何も伝わらない。
聞く力とは、いかに具体的なエピソードを引き出せるかということ。それは同時に伝える力。
それぞれの対談のエピソードを友達に昔話をするかのように語っている本著は、阿川さん自身が自身にインタビューしているよう。

なぜ、寛子が阿川さんの前で、ずっと言葉にできなかったことが言葉にできたのか。

それは、阿川さん自身が「聞く事」について、常に自身に聞いているからかもしれない。

2012年5月31日

読書状況 読み終わった [2012年5月30日]

この訳本は非常にわかりやすい。源氏物語初心者の私にはもってこいの本。

今までもっていた光源氏のイメージが変わった。
ただ、恋多き人ではなく、女なら誰でもという人ではなく、
常に自分の「美学」を持って、追求する人。

その美学の中に女性という生き物がいて、
確かに罪な男ではあるけれど、常に紳士であり、女性を大切にする。どれほど、時代や運命に翻弄されても、決してぶれない信念と理想を感じる。自分が美しいと感じるものを素直に受け止め、貫く男らしさは、実に美しい。
女として、これほどまでに大切にされたいと思う反面、
女として、外見に現れるほどの、魅力的な内面を磨かなくてはと啓発された。

2011年5月16日

読書状況 読み終わった

「人間は 自分のしていることに 意味が持てないときほど、
 つらいことはない…」

「作られたものを楽しむのは 少しも悪いことじゃない。
 作られたものの中にも、
 ほんとうらしいものも いっぱいあるもの」

2011年5月9日

読書状況 読み終わった [2011年4月28日]

誰が信じてくれると思う?生まれて初めて銃を買ったのが、テロリストじゃなくて、自分の国の政府から身を守るためだなんて。

自由の国アメリカ。
自由に憧れ、アメリカンドリームを夢見る。でも、1番自由がないのは、アメリカではないのか。
無知が偏見を作り、偏見が差別になり、差別が戦争になる。
リクルーターに巧みに言いくるめられイラクの最前線に行き、防弾チョッキも与えられない。自腹で払う。生きて帰ってきても、なんの援助もなく、路上に捨てられる。
アメリカが自由であるという偏見が作り出した結果かもしれない。

「ルポ貧困大国アメリカ」より読みやすく、リアル。
ふと自分の国を第三者となって考えてみる。

2011年2月3日

読書状況 読み終わった [2011年2月2日]
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