プラチナデータ (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2012年7月5日発売)
3.56
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本棚登録 : 22880
感想 : 1678
3

近未来に実現するかもしれないDNA捜査をテーマにした物語。
読んでいてひとつ不思議に思ったことがある。
龍平とリュウは同じDNAを持っている。
DNAプロファイリングでは性格まで大筋で読み取れるらしい。
では、どうして龍平とリュウとはあんなにも違う性格だったのか?
単に多重人格だからと言われても何となく納得できない。
だからこその「人の不思議さ」なのかもしれないけれど。
面白くないわけではない。
さすがに東野作品だなと思わせる読ませる力はある物語だと思う。
ただ、DNA解析、多重人格など盛り込みすぎたために、どれもが中途半端になってしまったようにも感じる。
終盤の神楽と浅間の人間同士のやりとりにホッとした。
犯人の動機があまりにも陳腐で身勝手すぎたのもどうかと。
世界的な数学者で、この先同じだけの能力を持った人間がいつ現れるかもわからないほどの才能を、あっさりと消し去ってしまう。
説得力のまったくない動機に唖然とした。
面白いけれど、何かがもの足りない。
そんな物語に感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2017年3月17日
読了日 : 2017年3月17日
本棚登録日 : 2017年3月17日

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