遠まわりする雛 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年7月24日発売)
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本棚登録 : 9790
感想 : 638
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〈古典部〉シリーズ第4弾は短編集でした。
一話目は四月の終わり頃、まだ数回しか言葉を交わしたことがない奉太郎と千反田が、今ではとても懐かしく思えます。
一年を振り返るような形で7つの話が進んでいきます。
夏休みに四人揃って古典部の温泉合宿へ出かけたり、正月の伊原の巫女さん姿や千反田の晴れ着姿など、今回は学校以外の場所での四人の様子が見られて楽しかったです。
高校生の日常の何気ない疑問をミステリー風に仕立てた作風には、若者らしい想像力や思いやりが感じられて、読後がとても爽やかです。

中三から高校受験を経て高校生になって一年。
恋愛模様も描かれていて、相手の意外な一面を知ったり、将来のことをすでに考えていたりと、この先の四人の成長が楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 米澤穂信
感想投稿日 : 2023年5月14日
読了日 : 2023年5月14日
本棚登録日 : 2023年5月14日

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