仙台市街地で行われた首相パレードの最中に起きた暗殺事件。
その犯人に仕立て上げられた青柳雅春の逃亡が始まる。
私たちは普段、テレビで中継を見ているだけで、事件の裏側にある事実など知る由もなく、マスコミの流す情報によって、先入観や思い込みを勝手に植え付けられているということに恐ろしさを感じます。
大学時代に青柳と同じサークルだった森田森吾や樋口晴子、後輩の小野一夫(カズ)、バイト先の轟社長、前にいた運送会社の仲間、逃亡中に味方になってくれた意外な人物たちなどが絡み合って、過去の思い出と現在とを織り交ぜたスリル満点の逃走劇が、読む人をほんとうに飽きさせることなく進んでいきます。
物語の壮大さと、逃亡の最中にも、もう会えなくなってしまった友人たちの揺るぎない信頼性を確信して、最後は思わず泣けてきます。
この本は一度読んだだけで手放すのはもったいないような、面白さの中にも深みのある凄い作品だと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
伊坂幸太郎
- 感想投稿日 : 2023年11月4日
- 読了日 : 2023年11月4日
- 本棚登録日 : 2023年11月4日
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コメント 3件
アンシロさんのコメント
2023/11/09
m.cafeさんのコメント
2023/11/09
アンシロさんのコメント
2023/11/09