ヤマザキマリさんが特に愛してやまない"変人"たちをピックアップして紹介した1冊です。
ここで言う"変人"とは「既成概念にとらわれず、型にはまることもなく、自在に自らの感性と技巧を操る、果てしなく自由な思想を持った人々」のこと。
ルネサンスの時代を生きた変人たちに驚かされつつ、それを生き生きと語るヤマザキさんの筆にわくわくさせられます。
特にインパクトが強かったのはフィリッポ・リッピ。
修道士の身でありながら、一目惚れした30歳年下の修道女と駆け落ち、しかも宗教画である「聖母子像」を愛する妻と息子をモデルに描いちゃう。自由奔放…!!
だけど、その自分自身を生きてる感じがいいですね。
それから、ブリューゲルについて知ることができたのもよかったです。
高校時代、世界史の教科書の表紙がブリューゲルの「ネーデルラントの諺」でした。
1枚の絵に詰め込まれた100以上の諺を探すべく、授業そっちのけで『ウォーリーをさがせ!』に夢中になる子供のように表紙を堪能していたことを思い出しました。
情報量過多で不条理さや残酷さといったきれいじゃないものまで緻密に描き込む変人…よきかな。
本書内で時々話題にのぼっていた『男性論 ECCE HOMO』(文藝春秋)も、読んだのはずいぶん前なので再読したいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ときどきアートも。
- 感想投稿日 : 2020年1月13日
- 読了日 : 2019年12月30日
- 本棚登録日 : 2020年1月13日
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