吾輩は猫である (新潮文庫)

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感想 : 394
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断片的にしか読んだことがなかったので、通読してみました。

日本文学の中でもトップクラスに有名な名前のない猫・吾輩による人間観察、キレッキレでおもしろかったです。
苦沙弥先生と彼の周囲の人々の変わり者具合にも、ご近所の実業家や中学生とのバトルにも、にやにやが止まりませんでした。
この時代の絶妙にゆるゆるとした空気を感じさせつつ、人間を「只いらざる事を捏造して自ら苦しんでいる者だ」と定義したりする鋭さに、思わず唸ってしまいます。
第11話で苦沙弥先生と仲間たちが交わす未来の話、特に人と人との距離の話は、現代のことを言っているようにも思えてきて、考えさせられました。

新潮文庫の表紙、色づかいが好きだなぁと思っていたのですが、安野光雅さんの挿画でした…知らなかった!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読みました。
感想投稿日 : 2023年4月4日
読了日 : 2023年3月24日
本棚登録日 : 2023年4月4日

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