断片的にしか読んだことがなかったので、通読してみました。
日本文学の中でもトップクラスに有名な名前のない猫・吾輩による人間観察、キレッキレでおもしろかったです。
苦沙弥先生と彼の周囲の人々の変わり者具合にも、ご近所の実業家や中学生とのバトルにも、にやにやが止まりませんでした。
この時代の絶妙にゆるゆるとした空気を感じさせつつ、人間を「只いらざる事を捏造して自ら苦しんでいる者だ」と定義したりする鋭さに、思わず唸ってしまいます。
第11話で苦沙弥先生と仲間たちが交わす未来の話、特に人と人との距離の話は、現代のことを言っているようにも思えてきて、考えさせられました。
新潮文庫の表紙、色づかいが好きだなぁと思っていたのですが、安野光雅さんの挿画でした…知らなかった!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
読みました。
- 感想投稿日 : 2023年4月4日
- 読了日 : 2023年3月24日
- 本棚登録日 : 2023年4月4日
みんなの感想をみる