街場の文体論

著者 :
  • ミシマ社 (2012年7月14日発売)
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本棚登録 : 1459
感想 : 180
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本書は、著者の神戸女学院大学での最後の講義「クリエイティブ・ライティング」でお話された内容をまとめたものです。
教壇で話しながら、著者の脳の中で思考がどのように動いているのかを辿るようなライブ感がありました。
あとがきで著者は「学生たちに「これだけはわかっておいてほしい」と思うことを、かき口説くようにお話ししました」と書かれています。
「宛て先」がある言葉だから届くんだ、ということを著者自身が体現されている1冊だと感じました。

読んでいる間、すぅっと風が通り抜けていくような、頭の中が気持ちよく冴えた感じをずっと味わっていました。
私には少し難しいと感じる部分もありましたが、その歯ごたえが心地よい緊張感を与えてくれるのです。
残しておきたい文章を書き出していたらメモがたくさんになってしまいました。
図書館で借りて読みましたが、手元に置いてたびたびページをめくりたいです。

外国語学習についても触れられていて、本来外国語とは「自分を外部に押しつけるためではなく、外部を自分のうちに取り込むために学ぶもの」という一文を心に留めておこうと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: たまには教養も。
感想投稿日 : 2022年8月1日
読了日 : 2022年6月16日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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