例えば小林正観の普段の脳波はベータ派0%、アルファ派9%、シータ派91%とほとんどが「深い瞑想」の状態にあると言う。また、小林正観は「人の死」が見えるのだそうだ。この辺りの記述は近年の著作には見られない「オカルト」な側面が強調されている。
そもそも小林正観は唯物論的で、すべてを実証や統計に委ねていたそうだが、旅行作家という仕事柄、各地を旅している間に、様々な「不思議な現象」を見るにつけ、あっちの世界を認めざるを得なくなったのだと。
そして何より知的障害者としての娘を持つことが大きな契機になったと語る。小林正観はしばしば「人は3秒で語れる」と言う。一秒が過去、一秒が現在、一秒が未来を受け入れることで、人は悟れる。つまり「悟り」とは「受け入れること」となのである、と。
面白いのがスプーン曲げの話。イライラすると曲げられないが、リラックスすると曲げられる。実は私自身もスプーン曲げは何度も成功したことがあるが、この話は本当だろうと思う。脳波としてはアルファ派からデルタ派まで。スプーンが曲げられれば、様々なことが可能になるとの話も経験的にうなづける。
とにかく一つ一つ見ればきりがないが、いろいろ突っ込みたくなる個所はあれど、やっぱり読んでいて心が晴れやかになるのは事実だ。小林正観もたまにはいい。そして本書は彼のエッセンスが凝縮された形であるので、最初に読んでも、たくさん読んできても、気づきは多いだろうか。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
啓発
- 感想投稿日 : 2010年9月13日
- 本棚登録日 : 2010年9月13日
みんなの感想をみる