宮部さんのファンタジー系は初です。一冊でまとまったのが読みたくて読んでみました。
なかなかうまく話せないながらも、少しずつ気持ちを合わせて、絵の世界に入っていくオガキとタマちゃん。パクさんと出会うことで、さらに核心に迫っていくものの、気持ちのすれ違いが生じ始め…
絵の世界への入り方へのアプローチが楽しかった。
現実での境遇描写が、けっこう辛いところもあり、そこから、気持ちがずれていったりしていくのも悲しい。オガキ自体もそこまで恵まれてる環境でもないところがなお、悲しい。
反面、満ち足りているということは何だろうと思わされもする。共通の想いや目的を持って進む仲間を持ったことが、少なくともこの3人にはよい意味を持ったように思える。それが不幸や境遇を覆せるものでなくても、何かしらプラスになってくれていると思えた。
この作品もふとした状況描写が、さりげなく美しい表現で描かれていて、よいです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年6月25日
- 読了日 : 2022年6月24日
- 本棚登録日 : 2022年6月24日
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