伊坂幸太郎氏の「モダン タイムス」を読みました。
ストーリーはミステリー?
国家?大きな力?システム?に対しての抵抗。
最後まで話のツジツマは合わないような気もしますが、話のツジツマをあわせることではなく、それを通しての伊坂氏の想いが思いっきり沢山込められています。
この歳になりいろいろ考えることが増えてきましたが、今まで考えていたことのヒントが沢山あったようで、読んで本当によかったと思います。
一部抜粋すると
「アリは賢くないが、コロニーは賢い。」
「細分化された仕事を任された人間から消えるのは、良心。」
「人には良心があるが、人のコロニーには良心がない。」
「危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。」
「人生は要約できない。」
「人間は大きな目的のために生きているんじゃない。もっと小さな目的のために生きている。」
「宇宙の力を考えろ。宇宙の力で、地球は動き、樹木は育つ。その力は、君の中にもある。」
「大事なルールほど法律では決まっていない。」
「目の前でこまっている奴を救え。細かいことは考えるな。」
「物事なんて見方を変えれば、何が正しいかなんてわかんなくなっちゃう。」
「無知で、社会についての知識や責任感も分からない子供たちに、物を教えるには、威厳が必要だ。そもそも動物は、自分より強い動物にしか従わない。」
「そもそも、小説ってのは譬え話なんだよ。しかも含まれている教訓は曖昧だ。「レモンにはビタミンCが含まれていますよ」なんて具体的な情報は小説には入っていない。作家はそんなこと知っちゃいねえし、書けねえんだよ。作家が分かるのはせいぜいが、「酸っぱいものを食べると、なんだか元気になった感じがしますよね」といった程度のことだ。」
大きなことをすべてできないときどうするか?一つはあきらめること。もう一つはできることをすること。
また、未来像では
徴兵制
高性能な白杖
等がでてきます。
ストーリーよりも含まれるエッセンスが面白い一冊でした。
- 感想投稿日 : 2011年12月20日
- 読了日 : 2011年12月20日
- 本棚登録日 : 2011年12月20日
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