出だしは安藤(ムロツヨシ)がユカ(佐津川愛美)に熱烈な思いを寄せるあまり岡田(濱田岳)を巻き込んでトンチンカンな行動をとるというコミカルな内容うで、これに同じく思いを寄せる森田正一(森田剛)がからんで四角関係になるのかと思ったら、そこで映画の半ばでクレジットが入って、森田正一が主役に躍り出てサイコものになっていく。作り手があえて意識してそうしていることになるが、手当たり次第に殺していく後半は凄惨なシーンが続くわりに単調で、とりわけ彼の動機がうまく伝わらない。高校時代いじめにあった。すでに人生は終わっているという認識をもってることは分かるがそれが行動の動機なのかイマイチ伝わってこない。ここは彼の閉塞的状況とかサイコに至るプロセスを丁寧に描いていかなくては伝わらない。
一方前半のコミカルなシーンは何の意味があったのか。安藤(ムロツヨシ)と森田正一(森田剛)がタグを組んでいくとか絡んでいかなくてはドラマとしての整合性がとれない。どちらかというと前半のコミカルさが少し引いたカメラで丁寧に描かれていてこのまま進んでいったほうが映画としては完成度は高かったような気がする。
ジャニーズの森田剛がこんなセンセーショナルな役をするということで、フォーカスをそちらに合わすようにという意向があったのではないか。それに対する映画半ばでのクレジットは反抗のためだったのではないかと邪推する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2018年8月6日
- 読了日 : 2018年8月6日
- 本棚登録日 : 2018年8月6日
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