オースター作品で私の中では1,2を争うのがこの小説。<br><br>不条理すぎる展開に最後まで目が離せず、脇役のポッツィが何ともいえずいい味を出していると思います。<br><br>ポーカーをやらせると右に出るものはいないというほどの天性の腕を持つポッツィとあり余るほどの財産を持つ二人組みの奇妙な男との大切な勝負の最中で主人公のナッシュがふらりと部屋を出て行きそこから徐々にツキが逃げ始めるくだりなど、何とも不吉な雰囲気が漂ってきて「うわー、何でそういうことするかな」と心臓がドキドキし、ページをめくる手が震えます。 <br><br>
その後の延々と石を積み上げるシーンなども意味のない作業を続けるところにカタルシスを感じ始めるナッシュと徐々に弱って行くポッツィの対比も見所で途中衝撃的な展開を経てラストはまさにオースターらしい結末が待っていて唖然とする事間違いなし。<br><br>オースター未読の方、ありきたりな小説には飽きた方には絶対おすすめ。
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カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2004年10月1日
- 本棚登録日 : 2004年10月1日
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