オレたちバブル入行組 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋 (2007年12月6日発売)
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再読。
「アルルカンと道化師」を読んだので、舞台となった半沢直樹シリーズの第一作をもう一度読む事にした。時系列で言えば本作は「アルルカン〜」の後の話になる。

さて再読してみるとやはり面白い。「大逆転」「痛快無比」「勧善懲悪」の方程式は一作目からよく出来ている。そして何よりも池井戸潤が「アルルカン〜」を大阪時代に戻した気持ちもよく分かった気がする。ご本人が「話が大きくなり過ぎたので」と仰っているようだが、確かに国交省や政治家を向こうに回して奮迅する半沢直樹も面白いが、話が大きい故に「島耕作」的なお伽話にも似た出来すぎ感が否めない。
支店の融資課長レベルの題材の方が市井の中の銀行員というリアルさを与え、大逆転ドラマにも現実感が出る。

幸い池井戸潤は島耕作のように半沢直樹を社長にするシンデレラストーリーを書くつもりはないだろうから、今後もこの線でシリーズを続けていってほしいと思う。次回作は更に遡って課長になる前辺りかな…などと今から想像を膨らませている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月21日
読了日 : 2023年10月21日
本棚登録日 : 2023年10月21日

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