おじいさんの思い出

  • 文藝春秋 (1988年3月11日発売)
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「ウェスト・ヴァージニア州アレゲーニー山脈のふもとの家を離れた日、それは人生における最も哀しい日のひとつだった――」

ボビーが学校に上がる年齢になり、ボビーと彼の両親はこれまで一緒に暮らしてきた祖父母を残して町に引っ越すことになる。

出発前におじいさんはボビーに、ひとつの“秘密”を持っていることを打ち明ける。
「わしのことを覚えていてくれ。そしてわしの秘密のことも。いつかここに帰ってきて、その秘密を二人で分け合おう」

しかし、絶対に忘れないと誓った幼いボビーは、新しい生活の日々のなかでおじいさんのことを忘れてしまう。
思い出したのは何年もあと、ハイスクールに上がったころ。
さて、おじいさんの秘密とはなんだったろう?

忘れられた約束。薄れていった決意。明かされなかったけれど、時の流れが教えてくれた秘密の意味。
トルーマンが少年時代に一緒に暮らした年の離れた従兄弟をおじいさんのモデルとして書かれ、原稿は叔母にプレゼントされたあと40年間忘れられて未発表となっていたという、彼の創作活動のもっとも初期の短編作品。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 外国の作家:C
感想投稿日 : 2013年12月14日
本棚登録日 : 2013年12月14日

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