1959年。新学期。ノーラン校長の厳格な規則に縛られたバーモントの全寮制学院ウェルトン・アカデミーに赴任してきた同校のOB・英語教師キーティング。
彼の破天荒で自由な、そして、詩の美しさや人生の素晴らしさを説く授業は、学校の規律や両親の無理解に雁字搦めになっていた生徒たちに、自由な考えをもたらしてゆく。
そしてキーティングに心酔した一部の生徒たちは、彼が学生だった頃に作っていた“死せる詩人の会(DEAD POETS SOCIETY)”という同好会を復活させるが――。
ハリウッド映画の定石で行くと、生徒たちが学校や親から自由を勝ち取る痛快なラストシーンに……というところですが、この作品はそうはなりません。
キーティングは去り、校長も学校も世間も親もなにも変わらず、生徒たちは彼らの管理下に戻ります。
けれど生徒たちはもう、自分で考え、行動することを。自分らしく生きること、その難しさと素晴しさを知っている。
決してハッピーエンドではない、厳しい現実の壁が立ちはだかるラストシーン。そこで生徒たちが見せる静かな反抗の荘厳さ。
バグパイプを効果的に使用した音楽と、秋から冬へと変わってゆく風景の移ろいがとても美しい秀作。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年8月2日
- 本棚登録日 : 2013年8月2日
みんなの感想をみる