Googleを支える技術 ‾巨大システムの内側の世界 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)

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  • 技術評論社 (2008年3月28日発売)
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googleの検索レスポンスは恐ろしく速い。私は仕事柄、どんなソフトを見ても、なんとなくその構造を想像できるが、googleだけは全くわからない。なぜ、あれほど堅牢に、あれほど正確、あれほど速いのか?それに答えるのが本書である。 まず、最初に一般的な検索サイトの技術要件をて定義し、googleの検索システムの概要説明を行う。大枠のアーキテクチャがなんとなくわかったところで、システムの重要な概念、モジュールであるgfs、bigtabel、MapReduceなどの詳細を解説。ここでのキーワードは、「大容量」である。googleのシステムは、全世界からダウンロードしてきた大量データに特化したアーキテクチャになっている。もう一つのキーワードは、「安いPCを大量に使う」である。安い故に低パフォーマンスのPCを、ネットワークを使用した超並列的分散アーキテクチャでつなぎ合わせ恐ろしいほどのパフォーマンスを安価に実現する。恐るべきgoogleの技術力。 その後、本書では、googleのコストについての推測を試みる。あれだけのデータセンターを持ってしまうと電気代が年間100億円、PCが300億円と読む。結構な額だが、売り上げ規模から考えればゴミみたいなものだと思う。しかし、ここでもgoogle魂発揮で、いかに電気代を下げるかと技術的試みを死に物狂いでやっているらしい。恐るべきgoogleのカイゼン魂。 最後に、ソフト開発に代表されるgoogleのマネージメントに言及する。個人の自主性を重んじる、20%の時間は現在の仕事以外に使う、などの良くあるプラクティス(でも普通の会社は実行できていない)が掲げられている。 全体を通しての感想は、「さすがgoogle。ここまでやるか!」。一つ一つは大したことやっていないが、細かい工夫を山ほど行い最高の企業になっていると思う。

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感想投稿日 : 2018年10月23日
読了日 : 2008年5月14日
本棚登録日 : 2018年10月23日

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