この本のメインは謎解きではなく、裁く側にまわった守の心の揺れ動きであり、宮部みゆきの真髄を容易に受け入れることができた。「親父を殺したヤツなのに、僕にはできなかった。殺せないよ。笑っちゃうよ。」。過去に守の父親を誤って轢き殺した吉武に対する裁きを目前に心の動揺が感じ取れる。義父の逮捕、同級生からのいじめ、友人達からの助力、殺人回避、守にはあっという間の出来事であったが、彼の成長を余すところ無く全てが伝わった。父親が自首するつもりだったという下りは安堵と共に救いでした。5年振りに再読(図書館本)。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
不思議な話
- 感想投稿日 : 2020年8月11日
- 読了日 : 2019年12月8日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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