ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年2月22日発売)
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本棚登録 : 12944
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ベストセラーのビブリア古書堂も4冊目。
短編連作だったこれまでと違い、一作でまとまった長編になっています。

というのも前もって知っていたし、ドラマの最終回で、事件のあらましは先に見てしまったんですが。
江戸川乱歩がテーマというのはやはり楽しいですね。
作品を紹介しながら、謎解きが展開。
少年探偵団の一作目「怪人二十面相」が昭和11年に書かれたとは!
(二・二六事件の年だそう)
大輔ならずとも、そこまで古いとは驚きます。
その後、手直しもしつつ発行されていたので、子供が読んでも違和感がさほどない内容になっていたよう。

江戸川乱歩のコレクションをもつ姉妹から、依頼が来ます。
慶子という姉のほうが鹿山明という邸宅の持ち主の愛人だったらしいが、当主が遺した金庫が開けられないという。
そこには大事な品が入っているという遺言だったのだ。
それはもしかしたら、乱歩の直筆原稿?!

鹿山明の家族は鎌倉に愛人がいて別邸があったことを知らなかったようで、連絡しても相手にされないという。
そちらに出向いた栞子は、鹿山氏の生活にあった隠された意味を見つけ出します。
鹿山明と慶子は、栞子の母・智恵子と取引があったのだった‥

ヒトリ書房の店主・井上も、この鹿山家と意外に深い関わりがあるとわかり、急に人間味があるように見えてきます。
栞子の母親には、昔ひどい目にあわされたっていうことなのね^^;

主役級の人物は俳優さんとけっこうイメージが違うので、微妙にだぶるけど~別な世界。
10年も失踪していた母親・篠川千智恵子がいきなり登場。
ミステリアスな雰囲気は、小説のほうが濃厚です。
金庫を開けるのを手伝うと言い出すのだが‥

なぜ家庭を捨てたのかはまだ謎だけど~妹の文香は素直に会いたがり、意外にあっさり受け入れる。
栞子のほうが、本質的には母親に似ているんでしょうけど、怒りを抑えられない。

母親はなぜ突然現れたのか?
栞子の気持ちはどう動くか。
そして大輔と栞子の仲は‥?
それなりに進むので、ほんわりと嬉しい気分に。
物語は後半へ進むようです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(ヒロイン)
感想投稿日 : 2013年7月7日
読了日 : 2013年6月28日
本棚登録日 : 2013年6月23日

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コメント 2件

kwosaさんのコメント
2013/07/07

sanaさん!

この4冊目は江戸川乱歩がテーマということもあって、乱歩作品のようなちょっとミステリアスな雰囲気や、遊びのある仕掛けがあってなかなか面白かったですよね。

僕自身は江戸川乱歩は短篇集くらいしかまともに読んでいなくて、なんとなくわかったつもりになっていました。
ところが「ビブリア4巻」の予習のつもりで『孤島の鬼』を読んでみたら、これが圧巻。
凄すぎて土下座をしました。
大乱歩などといまだにいわれるのもわかります。

読書の新しい扉をひらいてくれるのも「ビブリア」シリーズのいいところですよね。
そういう意味では sanaさんの本棚もかなり参考にさせてもらっています(海外ミステリで読みたいものがいっぱいあるんですよね)。

sanaさんのコメント
2013/07/08

kwosaさん、
コメントありがとうございます~!

そうそう、江戸川乱歩の作品がいくつも取り上げられていて、本にも色々版があるという話から、二つの邸宅に住む人々、金庫開けのための謎解き、何が入っているのか? そして‥と乱歩らしい雰囲気があって楽しめましたね。

乱歩は短編集もいいですけど~
「孤島の鬼」! お読みになりましたか☆
これはもう絶対、おすすめです。
ものすごいんで~圧巻ですよね。大乱歩、確かに。
私も全作品読んでるわけじゃないですけど。

ビブリアはいろいろ渋いところをついてくるので、こんな作品もあるのねとまた手が伸びますよね~。
わあ、この本棚を参考にしてもらえたら、こんな嬉しいことはありません。
これからも何が読めるか楽しみですね~よろしくお願いします♪

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