冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2007年8月11日発売)
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本棚登録 : 17864
感想 : 1169
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辻村深月のデビュー作。
メフィスト賞受賞。
高校が舞台で、ホラー的な構成の作品です。
悩み迷う様子は、いたってリアルに、まじめに描かれています。

ある雪の日、進学校に通う8人の男女は、ほかの生徒が来ないことに戸惑う。
こうこうと明かりがついている校舎には、誰もいない。
閉じ込められ、2ヶ月前の事件を思い出す‥
文化祭の最終日に、屋上から飛び降り自殺をした生徒がいたのだ。
ところが、それが誰だったのか、どうしても思い出せない‥

それぞれに人には言えない悩みを抱えている高校生たち。
委員長の鷹野、特待生の清水、鷹野とは幼馴染の辻村深月、深月が苦しんだときに相談に乗った昭彦、髪を茶色に染めている梨香、梨香に片想いの充、梨香と幼馴染の景子、停学が終わったばかりの菅原。
クラス委員をつとめる仲間で、居心地のいい関係だったはずなのだが。
誰かが自殺したいほど苦しんでいたのを見過ごしたのか?
この状況は、その生徒が作り出した空間らしい‥

悩みがあるとみんなが知っているのは、このうちでも辻村深月くらい。
友達だと思っていた相手に距離をおかれ、理由を聞いたところ、再三ひどく傷つけられたのだ。
食事を取ることが出来ない時期があり、カウンセラーの下へも通った。
自分でも、最初は自分が自殺したのではと考え込むほどだったが‥

ヒロインに同じ名前をつけたんですね。
この意味は‥?

上巻はペースが遅くて、正直、長い。
少しずつ、登場人物の境遇や気持ちがわかってはくるけれど、本筋に迫る決定打はないので。
難しいわけではないから、一気に読めます。
後半に一人、また一人と姿を消すホラー効果は出ていますが。
長々と書いた部分が、下巻でどう効果を表すのか?期待しています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(未分類)
感想投稿日 : 2012年12月24日
読了日 : 2012年12月23日
本棚登録日 : 2012年12月20日

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