村上海賊の娘 下

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  • 新潮社 (2013年10月22日発売)
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人気作・後編。
本願寺をめぐる戦いと、渦中に飛び込んでいく海賊の娘を描きます。

海賊の娘・景(きょう)は、自ら海賊働きにも出るおてんば娘。
合戦に憧れ、華やかなものと思い描いていました。
大坂本願寺に向かう一向宗の門徒をたまたま船で送り届け、凄惨な戦の現場を見ることに。
ただ自分の家を生き延びさせるためだけに、どんなことをしてでも命をかける男達。
考えの甘さを泉州海賊の眞鍋七五三兵衛に軽蔑され、門徒の幼い男の子・留吉にまできつい言葉を投げつけられます。

しおしおと国許へ帰った景は、縁談を進めるように父に頼み、格好も改めます。
おしゃれな小袖を作りまくる日々。
ところが‥

戦国大名が乱立した時代から、織田信長の天下統一が成りかける頃。
村上海賊がまだ瀬戸内海の航行を支配していました。
大坂本願寺への支援を依頼された海賊たちだったのですが‥
大坂へ向かった海賊たちが小早川隆景と意思を同じくして、本願寺を見捨てると知り‥
景は立ち上がります。
村人達は極楽往生できると信じて本願寺の門徒になった。戦わねば地獄におちると騙されてもなお、命を捧げようとしているのに、と思う景。
すべての力を出し切る果敢な乙女は、もはや男たちとも対等に渡り合う。
そして‥?

海賊たちが秘密にしていた「鬼手」とは。
景を助けようとする男達もカッコイイ☆
船での戦いというのが特殊で、違う迫力の面白さがあります。
後半の合戦は盛り上がりますよー!

景に小突き回されてきた情けない弟がここで頑張り、後には有名な武将になったとか。
そんな後日談も。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2014年9月18日
読了日 : 2014年9月8日
本棚登録日 : 2014年9月3日

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