ソロモンの偽証 第II部 決意

著者 :
  • 新潮社 (2012年9月20日発売)
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面白い!
話題作の中盤です。
事件はⅠ部で次々に起きて、関連があるのかないのか、噂が飛び交う状態でした。
真相が解明されないままに蓋をされそうになり、下手すれば別な犠牲者も出かねない事態に。

中学の裏庭で、あまり目立たない生徒だった柏木卓也が発見された。
投身自殺と思われ、いじめは疑われますが、はっきりはしない。
ところが、不良グループの大出俊次が柏木を落とすところを見たという告発状が‥そして?!

藤野涼子は、夏休みに学校で模擬裁判を開くことを考え、提案します。
北尾先生は、応援してくれたのですが。
高木先生は優等生の反乱という目で怒り、生徒の面前で言い合いになって‥
涼子は両親にもよく相談して、いろいろな場合を想定した上での行動でした。
北尾先生の指導の下の課外活動として、許されることに。
頭が良くて、りりしい涼子はカッコイイ!
とはいえ、最初は陪審員役の生徒たちもろくに集まらないのですが‥

涼子は、疑われたままの大出の弁護人を買って出ようとしていました。
そのつもりで大出の家にも行きますが、いろいろあって検察側にいくことに。
大出の父親は攻撃的で、札付きの不良の俊次もまったく頭が上がらない状態と知ります。
親が放任状態なため、俊次のアリバイを確認するのは難しい。
告発状を書いた人は名乗り出るように連絡を回すと、望み薄と思われた反応が。

弁護人は、他校生ながら柏木と塾で友人だったという神原和彦に。
弁護側の助手に名乗り出た野田健一は、涼子の手助けをしたかったのですが。
気が弱い野田ですが、じつはやれば出来る男子?
大人しそうだが冷静で、どこか変わっている神原に感心したり、やや不審を抱いたり。
超然としていた柏木とも、神原は似たところがありました。
涼子の親友の古野章子は、裁判には関わらないと明言、涼子にもやめるように言っていました。神原と野田の聞き込みにも反発しますが、やがて協力的に。
夏の間に、正義の味方と思われて、神原と野田の人気は上がっていきます。

探偵社の河野は、生徒たちの行動に好感を持ち、かげながら協力的な態度。
告発状の内容を信じて噂を報道したテレビ局の茂木は、ミスに気づかされ、学校内裁判に興味を持ちます。
警察は生徒たちの知らない何かを追っている。はたして‥?

実は掟破りでⅡ部を先に読みました。
図書館で先に来てしまったため。
Ⅰもあと少しで来そうなので、迷いながら待ってたんですが。改めて予約しなおすと、Ⅱ部を読むのが1年後になりかねなくて。それじゃあまりにも覚えてなさそうでしょ‥書評であらすじをざっとチェックして、Ⅱ部からでも大丈夫そうかなと見当をつけて。
Ⅱ部は裁判を始めるいきさつと、その課程が主なので、すごく面白い部分です。
いろいろな立場の思惑や、周りがだんだん協力するようになっていく様子がありありと描かれています。
このすぐ後にⅠ部を読んで、ああこの事はあの人はⅡ部になっても知らないんだ‥とわかった部分があり、それも一興でした。
Ⅲ部からいきなりは無理ですけどね!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(未分類)
感想投稿日 : 2013年8月24日
読了日 : 2013年7月27日
本棚登録日 : 2013年7月27日

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