「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」に続くシリーズ3作目。
お気に入りです。
下町にある小さなフレンチ・レストラン「ビストロ・パ・マル」。
気取らない店だが、シェフの三舟はフランスで修行した本格派。それも各地を渡り歩いたという。
シェフを支えて心地よい空間を作り出すスタッフの誠実さと、フレンチの伝統を活かしつつ親しみやすい料理。
こんなお店が近所にあったら‥!と想像するだけでも楽しくなります。
三舟シェフは、店で起きる不審な出来事の謎や客からの相談を、つぎつぎに解き明かしてくれる名探偵でもあります。
大学教授がフランスで経験した悲しい別れに、実は意外な意味が?
有能なパティシエが突然消えた理由は?
夫婦の客が注文した青い果実のタルトとは?
フランス料理ならではのモチーフにからんだ謎と、美味しい料理を楽しめます。
お客どうしの心遣いも秘密もイヂワルも、すっかり見抜かれてしまうので、時には心温まり、時にはほろ苦くもありますが。
そこは料理の手ぎわ同様、冷静でさりげなく、穏やかに。
料理を題材にした小説には好きなシリーズも多いのですが、この品の良さが素敵ですよね。
丁寧な仕事ぶりに心癒されます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2018年6月11日
- 読了日 : 2017年9月15日
- 本棚登録日 : 2018年6月11日
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