文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年9月16日発売)
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本棚登録 : 3983
感想 : 297
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鵺の碑を読む前に、2つ前のお話を再読
読んだのがかなり前だったので、
忘れていた内容も多くじっくり楽しく読めました。

このシリーズは毎回、関口を心配しながら読んでしまいます。
前巻でついに行くところまで行ってしまったので
ハラハラしていたのですが、不安定なところはあるものの
少しずつ回復してるかな?最後は雪絵さんとお買い物に出かけていたし
鵺の碑でもまた心配しながら読み進めそうです。
そして益田の人選が酷すぎる・・・・・。
榎木津と関口って不安しかない人選でよく行かせたなぁ(笑

子供が生まれ「死」について言葉で教えるのって本当に難しいことを実感しました。
自分の子なので飼っていたクワガタが死んだとき直接的に教えましたが、
私の言葉だけでは理解できなかったと思います。
やっぱり外的刺激は大事です。
伯爵は立場上、周りにいる大人が全員尊敬語でお話しします。
山形さんとか使用人に尋ねたとしても、
ぼかした言い回しになってしまうのかなと思いました。
唯一しっかり教えなきゃいけない父親は、研究に没頭しているし。
知識欲を満たしてくれるのが「文字」だけってかなしいです。
ただ、もう少し死や家族について
きちんと理解できる本はあったんじゃないかなぁと思いますが
儒学に精通した頭の良い高等遊民は、あれこれと難しく考えてしまい
答え合わせが出来ない環境だからしょうがないのかな。


横溝正史の登場に関口がテンション上がっていましたが
読んでいて私も上がりました。
とても人当たりが良く、優しい穏やかな方だったらしいので
病んでいる関口に、のんびりと話をする様子がイメージできました。

後巷説百物語「五位の光」は狂骨の夢と陰摩羅鬼の瑕につながっています。
又市さんが蒔いた種を京極堂が摘みとって行くのは胸熱です。

次は邪魅の雫読みます!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月10日
読了日 : 2023年10月10日
本棚登録日 : 2023年9月15日

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