容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年8月5日発売)
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命が・・・軽すぎる。
推理モノは特に詳しくは無いので、トリックの善し悪しは分からない。けれど石神がやるであろう事までは予想できた。しかしその後の部分に言葉を失った。
これだけ有名な作家さんで、これだけ有名な小説で、そんなんでいいのかと思った。
自分が泣きたいからドラマや映画を見て、明日には忘れる。深く物事を考えず所詮作り物だからと考える人にはいいかも知れない。

例えそういう事をしてしまう心理状態になったりする人間がいたとしても、それこそ人のためにというよりも、自分が良ければいいと言う行動そのものではないか。それが美しい純愛なのか。感動するものなのか。それは一方的に悪人として描かれた富樫のやっていた事と何が違うというのか。

推理小説で人が死ぬのに純文学なみに深い意味を持たせるのはおかしいのかも知れないが、ジャンルの問題で片付けてよいのだろうか。これが高評価という事に、今の時代の命の軽さを考えさせられてしまった。

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感想投稿日 : 2011年9月14日
本棚登録日 : 2011年9月14日

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