ラブ・ケミストリー

著者 :
  • 宝島社 (2011年3月4日発売)
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どんなに複雑な物質であっても、瞬時に合成ルートを編み出す能力を持つ大学院生・藤村桂一郎。ところが彼は研究室にやってきた新人秘書・真下美綾にひと目惚れし、能力を失ってスランプに陥ってしまう。そんなある日、カロンと名乗る黒衣の妖女が「キミの能力を取り戻してあげる」と現れ、美綾への告白を迫るが…。東大で理系草食男子が巻き起こす前代未聞のラブコメ&ミステリー。東大卒の著者が描く“日常系コメディ”登場!天才的化学センスをもつ藤村桂一郎は、初恋によってスランプに!突然現れた死神・カロンに振り回され、超オクテの草食男子はどこへ行く!?2011年第9回『このミス』大賞優秀賞受賞作(amazonより抜粋)

この人が「キミ」だったら面白いだろうなっていう予想をそのまま突き通してくれた物語でした。
予想通りではありましたが、「キミ」と思わせる人物が数人いたので、その人物がもし「キミ」だったらガッカリして終わったと思います。
だから予想内ではあっても、その結末が面白かったです。

ただすっごくご都合主義の小説です。
死神がここまで辻褄あわせのために登場すると安く感じてしまう一冊になったような。

天才の理系の学生がたった数行で死神の存在を肯定しているところも頷けない。
だから死神が絶対的な存在としてここで登場してくるので、ひどくファンタジーっぽいです。

恋愛と死神というアンバランスの内容ではありますが、そのバランスが上手かった気もします。
イメージとしてはバタバタ・ラブコメディでしょうか。
なのに現実は「このミステリーがすごい!」に選ばれてるし。

前から「このミス」の選定がおかしいと思っているのは私だけかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2011年に読んだ小説
感想投稿日 : 2011年5月26日
読了日 : 2011年5月29日
本棚登録日 : 2011年5月26日

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