いやいや、ものすごい小説であった。
物語を堪能した。
悪漢としての幅と深みが若き日よりも減ってしまって、作者の表現する通りの、「武装せる変質者」そのものになってしまった。分かりやすいが、薄っぺらい。
たしかに臨終の場面の愛妾松の丸殿への言葉などは実に(小説的に)素晴らしいが、その分月並みになった感はする。
でもこれは、山田風太郎の筆ではなく、史実の秀吉晩年の所業がこんなものだから、しょうがないだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年5月2日
- 読了日 : 2010年7月3日
- 本棚登録日 : 2012年5月2日
みんなの感想をみる