妖説太閤記(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年11月14日発売)
3.69
  • (10)
  • (11)
  • (19)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 107
感想 : 12
3

いやいや、ものすごい小説であった。
物語を堪能した。

悪漢としての幅と深みが若き日よりも減ってしまって、作者の表現する通りの、「武装せる変質者」そのものになってしまった。分かりやすいが、薄っぺらい。
たしかに臨終の場面の愛妾松の丸殿への言葉などは実に(小説的に)素晴らしいが、その分月並みになった感はする。

でもこれは、山田風太郎の筆ではなく、史実の秀吉晩年の所業がこんなものだから、しょうがないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年5月2日
読了日 : 2010年7月3日
本棚登録日 : 2012年5月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする