サリンジャーに夢中になったのは10代の頃。
それから10年以上の月日が流れた。
読んだ当時の記憶はおぼろげで、自分の周りの人間が「エゴだらけ」と
嘆き悲しむフラニーに共感したことと、宗教的な議論を難しく感じた、
といううっすらとした感触が残るのみ。
今、改めて村上春樹訳の本書を読むと、自分が10年の時を経て、大人
のエゴに憤慨する若者ではなく、清濁合わせ飲んで生きる大人の側に
立っているのだ、と実感した。
また、サリンジャーは若者にも大人にも優しい目を注いでいることに
気付かされた。
村上春樹訳は会話のウィットに富んだリズム感がいきいきと描き出され、
引き込まれる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年4月30日
- 読了日 : 2014年4月30日
- 本棚登録日 : 2014年4月29日
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