読後の余韻に残ったのは、自分自身の幸せの平凡さとその温かさだった。
あらゆる場面で魍魎は人に囁き、人は境界を越えてしまう。そんな偶然の絡み合いのミステリーだった。計画性の高いパズルのような事件ではなく、人が感情の揺らぎの中で蠢いていく有機性を感じた一冊だった。
それにしても榎木津はなんとも憎めない。じめっとした重い話を掻っ攫ってくれる、乾風のようなキャラクターだと思う。このキャラクター達の絶妙なバランスも面白さのひとつだと感じている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月12日
- 読了日 : 2023年11月12日
- 本棚登録日 : 2023年10月18日
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コメント 2件
土瓶さんのコメント
2023/11/13
みねこさんのコメント
2023/11/14