沙漠の国の物語・第5弾はジゼットとラビサ、お互いに惹かれあう気持ちを自覚する、思わず顔がにやける物語。名言のところにも書いたのだけど"「多分濡れ衣だ。俺はどちらかというと段階を踏むタイプだと言っておいてくれ」" (P38) って。
かなり段階すっ飛ばしてますけど…?
舞台は至星(こちらで言う冬至?で大晦日?のようです)で賑わうマンナ。タラスファルの織物をマンナに運ぶ仕事を手伝うことになったラビサだが、なぜか元気がない。そんな様子を心配したジゼットがなにかと構う中、ひょんなことからマンナの幽霊&殺人騒動に関わることになり…
ラビサの意外な弱点とそれを知ったジゼットのイジワルに、思わずニヤニヤしてしまう。イジワルが過ぎて、ラビサの心に秘められた深い悲しみを呼び覚ましてしまった時…ジゼットの心はラビサに決定的に捕らえられる。好きな子をちょっとからかうような軽さが消え、決意に変わる。残念なことにその決意はラビサにまだ、届いてはいないけれど。
どたばた騒ぎの後、ラビサとジゼットに訪れた夜明けの瞬間が、とても素敵です。ラビサは言えなくなってしまった自分の嘘をジゼットに告げ、でもとっくに決意をしているジゼットはそれを知ったところで揺らぐ訳もなく…真っ直ぐな彼の言葉でラビサが笑顔を取り戻す場面は、ジゼットじゃなくても見惚れてしまう。
ジゼットの言葉を受け止め、今の状況から一歩踏み出す覚悟を決めるラビサ。全てから守ると誓うジゼット。
そんな二人の想いはまだまだ心の中にある状況で、世界の変革の波が姿を現わし始める。一つは砂嵐の後継者を名乗る者。一つは星読みの徒たち。これからどう動いていくのか、続きが楽しみ!
- 感想投稿日 : 2010年6月1日
- 読了日 : 2010年5月25日
- 本棚登録日 : 2010年5月25日
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