海辺のカフカ〈下〉

著者 :
  • 新潮社 (2002年9月12日発売)
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本棚登録 : 4341
感想 : 341
3

前回読んだときほどの感動はなかったが、
3つの場面が 読み進めていくうちに1つに繋がっていくのは 何回読んでもおもしろい。
1Q84も読み直したくなる。

今回は、少し風変わりなナカタさん と 自分のことを「俺っち」と呼ぶホシノくんがお気に入り。


p.422
「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」
「大事な機会や可能性や、取りかえしのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。掃除をしたり、空気を入れ換えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。言い換えるなら、君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」

前回読んだときには全く引っかからなかった言葉が、
今の自分には響くんだよね。
映画とか、タイミングで感じ方が変わるものはたくさんあるけれど、
私は同じ映画を見返すことがほとんどないから、
この体験は専ら読書によってすることになる。
だから、私はこれは読書の不思議であり、素敵なところだと思う!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月19日
読了日 : 2019年9月19日
本棚登録日 : 2019年9月19日

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