人質の朗読会

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年2月1日発売)
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地球の裏側の辺鄙な村で、遺跡観光の帰りにマイクロバスごと拉致された日本人観光客。人質生活も長くなったころ、彼らはそれぞれに思い出を物語にし、互いに朗読する時間を設ける。

子供の頃、近くの製鉄所ではたらく男性に杖をわたそうとした少女。大家さんと食べた「やまびこビスケット」。公民館のB談話室での謎の会合。冬眠中のヤマネのぬいぐるみを売るおじいさん。コンソメスープを作るためにキッチンを借りにきた隣人。人生に希望を失っていた女性が見かけた槍投げの青年。死んだおばあさんに似ていると声をかけられる女性。退職の際にもらった花束を交通事故の現場に手向ける青年。
そして、ハキリアリの研究をする日本人にラジオを聞かせてあげる現地の少年。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説
感想投稿日 : 2022年2月19日
読了日 : 2022年2月19日
本棚登録日 : 2022年2月15日

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