レビューを拝見して、読みたくなった本です。ありがとうございます。
435ページ一気読みでした。
服部加奈子の夫のDVは酷く、それに気づいた親友の同級生、小田直美は「復縁を迫った夫が、元妻の実家に押しかけて親兄弟を皆殺しにして自分も自殺、そういう人間が世の中にはいるの」「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
と持ち掛けます。
二人は共謀して夫の達郎を殺し、富士の樹海に捨て、夫そっくりの中国人男性を見つけて夫のパスポートで中国に帰るように指示します。
このまま二人で逃げ切る話だとばかり思っていたら、そうは問屋が卸さない。
加奈子は夫の職場から出社していないという連絡を受け捜索願をだします。
それで終わりかと思ったら、まだ後半が半分ある。
二人のたてた計画は用意周到と思っていたら、かなり杜撰で所々からほころびが見えてきます。
そして、夫の実家の妹の陽子が現れて加奈子に疑惑の目を向けます。
「加奈子さんは何か隠しているでしょう」
陽子の追求の目は厳しいもので、興信所をやとわれ追い回されます。
ナオミとカナコの味方はナオミの元顧客の中国人女性、李朱美のみ。
夫のDVがあまりに酷いものだったので、この物語はナオミとカナコを応援せずにはいられません。
二人は逃げ切ることができるのか…。
それとも捕まってしまうのか…。
大変、心臓に悪い、ハラハラ、ドキドキする話でした。
中国人女性の朱美に感化されて中国人のようにだんだん強くたくましくなっていくナオミとカナコの成長ぶりが読んでいて痛快でした。
- 感想投稿日 : 2021年5月11日
- 読了日 : 2021年5月11日
- 本棚登録日 : 2021年5月2日
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